2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパラン硫酸鎖活性ドメインに対する阻害剤の遺伝子工学的・化学的手法による開発
Project/Area Number |
15570126
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Research Institution | INSTITUTE FOR MOLECULAR SCIENCE OF MEDICINE, AICHI MEDCAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
羽渕 弘子 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 講師 (90329821)
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Keywords | グリコサミノグリカン / ヘパラン硫酸 / ヘパラン硫酸-O-硫酸転移酵素 / 細胞増殖因子 / 修飾ヘパリン / 硫酸化オリゴ糖 / リコンビナント酵素 |
Research Abstract |
1 遺伝子工学的手法による阻害剤の開発:リコンビナントのヘパラン硫酸2-O-,-6-O-硫酸転移酵素を用いて、2-O-硫酸化オリゴ糖と6-O-硫酸化オリゴ糖を合成した。2,6-O-硫酸化オリゴ糖はヘパリンから調製した。これらオリゴ糖ライブラリーを用いて種々のヘパリン結合性細胞増殖因子(HB-GF)との結合能を調べた。その結果それぞれが特異な構造で結合することを明らかにした(J.Biol.Chem.(2004)273,12346-12354に発表)。次に、血管内皮細胞(HUVEC)とマウス胚線維芽細胞(MEF)を用いてVEGF_<165>,FGF-1とFGF-2活性に対する修飾ヘパリンとオリゴ糖の影響をレセブターのリン酸化で解析した。HUVEC/VEGF_<165>の系ではヘパリンはシグナルを増強したがいずれのオクタオリゴ糖も影響を示さなかった。MEF/FGF-1ではヘパリンを添加するとレセプターのリン酸化が促進され、細胞表面のヘパラン硫酸を除くとリン酸化が激減することが確認できた。FGF-1はオクタオリゴ糖と強い結合能を示したので、現在この系を用いてオリゴ糖の活性への影響を解析中である。 2 化学的手法による阻害剤の開発:前年度の結果をふまえて、試験管内でリコンビナントヘパラン硫酸6-O-硫酸転移酵素活性を阻害するmetyl-ss-GlcA2Sを培養細胞に加えて、HB-GF活性に対する影響を解析した。CHO-K1細胞にFGFR-1が導入された安定変異細胞を作製し、FGF-2依存的なFGFR-1のリン酸化に対するmetyl-ss-GlcA2Sの効果および1で述べたHUVEC/VEGFの系でも調べた。その結果3mM以上のmetyl-ss-GlcA2Sを培地に加えるとVEGFR-2のリン酸化を明らかに抑えた。しかし、この薬剤存在下で合成されるヘパラン硫酸の2糖組成は変わらなかったのでこの薬剤による阻害効果かヘパラン硫酸を介した機序かどうか現在解析中である。
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Research Products
(5 results)