2003 Fiscal Year Annual Research Report
バイオイメージング法を用いたマウス味蕾内情報処理ネットワークの解析
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15570138
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
熊澤 隆 埼玉工業大学, 工学部, 助教授 (90234517)
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Keywords | マウス / 味蕾細胞 / カルシウムイオン / 光学測定 |
Research Abstract |
マウス剥離舌上皮中の味蕾細胞に味物質を与えた時の膜電位変化と細胞内カルシウム濃度変化を光学的に測定した。膜電位変化と細胞内カルシウム濃度変化は、それぞれ膜電位感受性蛍光色素tetramethylrhodamine methyl ester(TMRM)とカルシウム結合性蛍光色素calcium green-1の蛍光強度変化でモニターした。0.2M NaClを味蕾細胞受容膜に与えると、単一味蕾中で形態が確認できた17細胞のうち7細胞で脱分極応答が、3細胞で過分極応答が観察された。また、細胞内カルシウム濃度の上昇は、27〜33%(29.7±2.5%)の味蕾細胞で観察された。代表的な苦味物質であるデナトニウムを与えるとカルシウム濃度の増大が観察されたが、応答した細胞は17〜79%(34.3±22.7%)と味蕾によって大きく異なっていた。以上の結果は、味神経とシナプスを形成すると報告されている細胞数(1〜3個)よりも、はるかに多くの細胞が味物質に応答したことを示している。NaClが引き起こす細胞内カルシウム濃度の増大は、基底膜側にCdCl_2を与えると抑制された。したがって、NaClが引き起こす味蕾細胞内カルシウム濃度の上昇は、主として細胞外からのカルシウムの流入によるものと考えられる。さらに、基底膜に10μMアミロライドを与えると、この細胞内カルシウム濃度の上昇は抑制された。パッチクランプ法により観察されるNaClが引き起こす内向き電流も、0.1〜1μMのアミロライドを受容膜あるいは基底膜に与えると抑制されることから、MaCl応答の発生には、受容膜と基底膜に存在するアミロライド感受性チャネルの関与することがわかった。
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Research Products
(1 results)