2004 Fiscal Year Annual Research Report
バイオイメージング法を用いたマウス味蕾内情報処理ネットワークの解析
Project/Area Number |
15570138
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
熊澤 隆 埼玉工業大学, 工学部, 助教授 (90234517)
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Keywords | マウス / 味蕾細胞 / 細胞内カルシウム濃度 / Funa-2 / 神経伝達物質受容体 |
Research Abstract |
マウス味蕾細胞間にはギャップジャンクションが存在し、ある種のネットワークが存在することが明らかとなってきた。さらに味蕾細胞基底膜にセロトニン受容体が存在することも報告されている。本研究では、味蕾細胞基底膜にセロトニン以外の神経伝達物質の受容体が存在するか検索した。実験には剥離舌上皮を標本として用い、味蕾細胞の基底膜に神経伝達物質を与えたときに引き起こされる細胞内カルシウム濃度変化を光学的に測定した。細胞内カルシウム濃度変化の測定には、カルシウム結合性蛍光色素Fura-2を用いた。まず初めに剥離した上皮中の味蕾細胞にFura-2を効率良く取り込ませる条件を種々検討した。この結果、高濃度の1%Pluronic F-127を用いるとFura-2,AMが良好に細胞内へ取り込まれることがわかった。また、剥離上皮の作成には、従来用いていたコラゲナーゼよりもエラスターゼを用いた方が味蕾細胞中へのFuna-2の取り込みが良好であった。この味蕾細胞基底膜へATP、グルタミン酸、アセチルコリンを与えると、一過的な細胞内カルシウム濃度の上昇が引き起こされた。これに対し、1mMノルアドレナリンを与えても応答は観察されなかった。さらにATP、グルタミン酸、アセチルコリンに対する応答性細胞はいずれの場合も味蕾の周辺部に局在していた。これらの個々の受容体の未応答におよぼす役割は不明であるが、味蕾細胞基底膜には多種の神経伝達物質に対する受容体が存在し、傍分泌作用によるネットワークが存在するものと考えられる。
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Research Products
(1 results)