2004 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母の新規DNAポリメラーゼφによるリボソームRNA合成の制御機構
Project/Area Number |
15570144
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 喜久雄 大阪大学, ラジオアイソトープ総合センター, 助教授 (20162696)
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Keywords | 酵母 / DNA microarray / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究においては、ヒトと同じ真核細胞生物であり、細胞周期の研究において、モデル生物としてしばしば用いられてきた酵母菌S.cerevisiaeのDNAポリメラーゼφのデグロン変異株を作成し、その株を用いてcDNAマイクロアレイ法により、酵母菌の全ての遺伝子(約6400遺伝子)の発現量を解析した。野生株と変異株においてRNAの発現に関して顕著な差はみられなかった。そこで、放射線に対する応答をγ線を用いて調べた。γ線源としてはコバルト60を用いた。その結果、低線量放射線曝露(約10グレイの照射線量)に対しては、ミトコンドリア機能に関する遺伝子の抑制が確認された。たんぱく質合成に関する遺伝子の抑制も確認できたが、ミトコンドリア機能の低下にともなってATPやGTP生産量が低下するため、たんぱく質の生産を抑制してATPやGTP消費量をコントロールしているためであると考えられる。 またDNAポリメラーゼφの精製と生化学的な解析も行った。 さらに結晶解析に供するための大量発現系の開発もDNAポリメラーゼφとDNAポリメラーゼεの二つのDNAポリメラーゼについて行った。DNAポリメラーゼεについては野生型のたんぱく質ではアミノ酸数が2222個と非常に大きいので酵母-大腸菌シャトルベクターを用いて、N末端の開始位置を変えることで、全長を半分以下にした構造のものを3種類構築することができた。
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