2003 Fiscal Year Annual Research Report
Rhoファミリー遺伝子の生体内における機能互換性の検討
Project/Area Number |
15570145
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 正健 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教授 (80271609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 喜美 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教授 (90211705)
吉信 公美子 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助手 (20274730)
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Keywords | 低分子量Gタンパク質 / ジーントラップ / ノックアウトマウス / RhoA |
Research Abstract |
本研究の目的は、可変型ジーントラップ法で得られたArhA(RhoA)遺伝子ノックアウトマウスを用いて、生体内における低分子量Gタンパク質Rhoファミリー遺伝子の機能互換性を解析し、その複雑なネットワークを明らかにすることである。 トラップクローン(Ayu17-52)においては、RhoA遺伝子の発現がnullになるような形でトラップされており、RhoAタンパク量の減少がキメラマウス及びヘテロ接合体マウスにおいて前肢の異常を引き起こし、食餌困難により死に至ることが示唆された。 そこで平成15年度は、まずCre-変異loxシステムを用いて、レポーター遺伝子の代わりにマウスRhoA遺伝子の酵母菌ホモログであるRho1遺伝子をノックインしたESクローン(Ayu17-52res)を作製した。このクローンでは、キメラマウス及びヘテロ接合体マウスに明らかな異常は観察されなかった。従って、酵母Rho1遺伝子の発現によってマウスRhoA遺伝子発現低下による表現型がレスキューされたと考えられる。 次に、レポーター遺伝子の代わりにhuman skeltal muscle α actin(HSA)promoterをノックインしたESクローン(Ayu17-52HSA)を作製し、本来ユビキタスなRhoAの発現を骨格筋のみの発現に変換することにも成功した。このクローンにおいても、キメラマウス及びヘテロ接合体マウスに明らかな異常は観察されなかった。従って、Ayu17-52ヘテロ接合体マウスで観察される表現型は、骨格筋におけるRhoAタンパク量の減少が原因であることが示唆された。 平成16年度は、ヘテロ接合体マウスの表現型をさらに詳しく解析するとともに、マウスRhoC遺伝子をノックインし、その影響を調べる予定である。
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Research Products
(1 results)