2004 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母RNAポリメラーゼIIの機能制御メカニズムの解析
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15570148
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
木村 誠 独立行政法人理化学研究所, 遺伝子材料開発室, 先任研究員 (00290891)
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Keywords | RNAポリメラーゼII / 転写因子 / ホスファターゼ / 転写調節 / リン酸化 / 蛋白質複合体 / 蛋白質相互作用 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
分裂酵母を用いた蛋白質相互作用によるRNAポリメラーゼII(pol II)の機能制御機構の解析の成果を示す。 1.最も特徴的なpol II制御機構は、転写サイクルに伴うpol II-Rpb1サブユニットC末端ドメイン(CTD)の高度リン酸化・脱リン酸化である。ここで働くCTDホスファターゼFcp1は、pol II-Rpb4サブユニットに結合し、Rpb4は7本のα-ヘリックスで構成される。ヘリックス構造を単位とした欠失変異をもつrpb4遺伝子を導入した酵母細胞の生化学的解析により次の知見を得た。 (1)Rpb4ヘリックス2、3が、pol II本体及びFcp1との結合部位である。 (2)Rpb4ヘリックス1を欠くと細胞は高温感受性となり、高温時に転写伸長複合体のDNA結合が不安定となる。 (3)Rpb4ヘリックス4-7を欠くと細胞は高温感受性となり、許容温度下でも転写伸長複合体のDNA結合が不安定となる。CTD脱リン酸化も抑制される。 2.Fcp1と伴にpol IIと複合体を構成する基本転写因子TFIIFのサブユニットTfg3の機能解析を行い次の知見を得た。 (1)Tfg3は基本転写因子TFIIDにも含まれ、高温下ではTFIIDへの結合量が増加する。 (2)tfg3遺伝子破壊酵母株は高温感受性となり、Tfg3は高温下で遺伝子特異的に転写調節に関与する。 (3)tfg3破壊株高温感受性の多コピー抑圧遺伝子を分離した結果、Tfg3のクロマチン制御因子との相互作用が示唆された。 3.pol II-Rpb7サブユニットとRpb4による二量体に結合する蛋白質として、高等動物転写仲介複合体の構成因子であるグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼを分離した。細胞内エネルギー状態に応じた転写調節機構が示唆される。
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Research Products
(4 results)