2003 Fiscal Year Annual Research Report
アクチン系細胞骨格の細胞内不等局在は如何にして生じるか:細胞極性生成機構を探る
Project/Area Number |
15570153
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石川 良樹 群馬大学, 医学部, 講師 (20212863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 啓之 群馬大学, 医学部, 助手 (20321945)
小浜 一弘 群馬大学, 医学部, 教授 (30101116)
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Keywords | アクチン / トロポミオシン / アクチン結合蛋白質 |
Research Abstract |
まず、種々のEGFP-アクチン結合蛋白質導入細胞に於ける融合蛋白質の局在を調べた。EGFP-ファシンはフィロポディアに局在、EGFP-カルデスモン、EGFP-非筋高分子量型トロポミオシン、EGFP-非筋低分子量型トロポミオシンはフィロポディアとストレスファイバーに局在、EGFP-平滑筋型トロポミオシンはストレスファイバーに局在、EGFP-非筋型αアクチニン、EGFP-平滑筋型αアクチニンは接着斑とストレスファイバーに局在、EGFPドレブリンはフィロポディアの基部と接着斑に局在していた。 次に、変異体による解析を、ファシンで行った。ファシンはC-kinaseによってリン酸化され、アクチン結合能を失う事が知られている。そこで、リン酸化部位をAに置き換えた疑似非リン酸化型、Dに置き換えた疑似リン酸化型変異体を作成して同様の観察を行った。非リン酸化型ファシンではフィロポディアが発達し、アクチン繊維の上にしっかりと乗っていたのに対し、疑似リン酸化型はフィロポディア上に局在していなかった。このことから、ファシンのリン酸化がフィロポディアへの局在を制御している事が示唆された。また、非リン酸化型ファシン導入細胞ではフィロポディアは太く発達し、ラメリポディア中に観察される細いフィロポディア様アクチン構造は消失していた。このことは、ファシンがフィロポディアの形成に関与している事を示唆している。 現在、種々のアクチン結合蛋白質のアクチン結合部位のみを含んだEGFP-融合蛋白質のコンストラクトを作成中であり、次年度は、これと全長蛋白質との局在の比較を行い、アクチン結合蛋白質が特定のアクチン構造に局在する仕組みを探っていきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ishikawa R. et al.: "Polarized actin bundles formed by human fascin-1 : Their sliding and disassembly on myosin II and myosin V in vitro."Journal of Neurochemistry. 87. 676-685 (2003)
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[Publications] Takahashi I. et al.: "Zinc inhibits calcineurin activity in vitro by competing with nickel."Biochemical Biophysical Research Communication. 307. 64-68 (2003)
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[Publications] Suzuki K, et al.: "Calmodulin-dependent cyclic nucleotide phosphodiesterase (PDE1) is a pharmacological target of DIF-1, an anti-tumor agent is olated from Dictyo."Cancer Research. (In press). (2004)