2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570157
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
細川 暢子 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (00263153)
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Keywords | 小胞体関連分解 / 小胞体品質管理 / 小胞体 / 糖タンパク質 / 小胞体シャペロンタンパク質 / 小胞体ストレス / α-マンノシダーゼ |
Research Abstract |
本研究において、小胞体内でミスフォールドした糖タンパク質の小胞体関連分解(ERAD)を促進する、マウスタンパク質EDEM(ER degradation enhancing α-mannosidase-like protein)の機能解析を行った。その結果、以下の点を明らかにすることができた。 1.小胞体関連分解の基質となる変異型α1-antitrypsin null Hong Kong(NHK)は、分子内にシステインをひとつもち、小胞体内で、分子間ジスルフィド結合を形成することがわかった。EDEMを同時に発現させると、この二量体形成が抑制された。一方、野生型のα1-アンチトリプシンに対しては、EDEMを共発現させてもほとんど影響はなかった。これらのことから、EDEMは、小胞体内でミスフォールドした糖タンパク質に結合し、分解されるまでの間に凝集体を形成するのを阻害するなどの、分子シャペロン様機能を果たしている可能性が考えられた。 2.マウスEDEMのホモログタンパク質をクローニングし、EDEM3と名付けた。EDEMは小胞体の膜タンパク質であるのに対し、EDEM3は、小胞体に存在する可溶性タンパク質で、EDEM同様、細胞に過剰発現させると、糖タンパク質のERADを促進する機能をもつことが明らかになった。しかし、小胞体ストレスに対する応答性や、糖鎖解析の結果から、この二つのホモログタンパク質の作用機序は異なると考えられた。
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Research Products
(2 results)