2003 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答性エンドヌクレアーゼIre1が織りなす生命現象の解明
Project/Area Number |
15570160
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
木俣 行雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (60263448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都留 秋雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (80273861)
河野 憲二 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (50142005)
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Keywords | 分子シャペロン / シャペロン / 小胞体ストレス / ストレス対応 / UPR |
Research Abstract |
I型膜蛋白質であるIre1は、小胞体ストレスに応じて活性化し、Unfolded Protein Response(UPR)シグナル伝達経路を通じて、例えば分子シャペロン遺伝子の転写を誘導するなど、ストレスに対する生体防御応答を引き起こす。Ire1の活性制御に関して分子レベルで唯一分かっていることは、非ストレス状態では小胞体内在性分子シャペロンBiPがIre1に結合してその活性を抑えており、小胞体ストレス状態ではその結合が解離するということである。我々は、このBiPの結合/解離を含め、小胞体ストレスに応じてIre1の活性が制御される機構を解明することを最終的な目標とし、出芽酵母Ire1小胞体内腔ドメインの一次構造と機能の関連を明らかにするための研究を進めた。まず、Ire1小胞体内腔ドメインを10アミノ酸残基ずつ系統的に欠失させたIre1変異体が、小胞体ストレスに応じてUPR経路を活性化できるか否かを調べた。その結果、Ire1小胞体内腔ドメインには、その活性に必須である2個のサブドメイン(それぞれ、約120および180アミノ酸残基)が存在していることが分かった。また、上記の系統的欠失変異体とBiPとの結合を調べたところ、BiPの結合部位はこれらサブドメインの中にはなく、膜貫通ドメイン直前であることが明らかとなった。予想外なことに、このBiP結合領域を完全に削ってもIre1は恒常的には活性化せず(野生型Ire1と同様に、小胞体ストレスに応じて活性化された)、BiPの結合/解離以外にもIre1の活性を制御するメカニズムが存在することが示された。
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