2003 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物胚において後脳領域を規定する遺伝子ネットワークの解明
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15570170
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
弥益 恭 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60230439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 昌孝 埼玉大学, 理学部, 助手 (70344950)
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Keywords | 脊椎動物 / 個体発生 / 脳形成 / 前後軸 / 転写調節 / プロモーター解析 / ゼブラフィッシュ / ミュータントスクリーン |
Research Abstract |
1.ゼブラフィッシュ(ZF)胚で後脳前端に特異的に発現し、同領域の形成を制御するgbx2遺伝子の転写制御機構を知るため、まず遺伝子上流-11kbから-2kbまでの9kb領域(-11/-2kb)をheat shock promoter及びGFP遺伝子につないだコンストラクトを作製した。これをゼブラフィッシュ生殖系列に導入し、子孫胚におけるtransgeneの発現をGFPの蛍光及びmRNAの検出により検討した結果、この11/-2kb領域で、原腸形成終了期以降、後脳前端における時期及び組織特異的発現をほぼ再現することを見出した。さらに、-11/-2kb領域内に存在する調節領域を、導入胚でのレポーターアッセイによりさらに詳細に検討し、-7.6/-6.9kb領域に転写調節活性が存在することを示した。 2.後脳r4領域を前端として後方神経系に特異的に発現するZF hoxb1b遺伝子の転写制御機構を知るため、GFP遺伝子をレポーターとしたZF胚への遺伝子導入により上流及び下流ゲノムDNAについて転写調節能の検討を行い、上流-1.6/-1.1kb領域、下流+1.4/+1.7kb領域、+4.4/+4.7kb領域に主要転写調節活性を見出した。また、上流8kb DNAが体節形成期でのhoxb1bの領域特異的発現に十分であるが、原腸形成期での後方神経特異的な発現には下流5kb領域が必要であること、上流8kb及び下流5kbで後方化シグナル(retinoic acid,FGF,Wnt)への応答性に十分であることを示した。 3.後脳形成に関与する遺伝子群を明らかにするため、ENU処理したZF雄魚の子孫において、後脳形成に着目した3世代mutant screenの準備を進めているが、すでに、パイロットscreenの結果、脳形成異常を示す突然変異体が得られつつある。条件を最適化し、後脳で領域特異的にGFPを発現するtransgenic fishを利用することにより、本格的screenの開始を予定している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Kikuta, M.Kanai, Y.Ito, K.Yamasu: "gbx2 homeobox gene is required for the maintenance of the isthmic region in the zebrafish embryonic brain."Developmental Dynamics. 228. 433-450 (2003)
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[Publications] K.Horii, G.Suzuki, T.Suyemitsu, K.Yamasu: "Characterization of the upstream region that regulates the transcription of the gene for the precursor to EGF-related peptides, exogastrula-inducing peptides, of the sea urchin Anthocidaris crassispina."Comparative Biochemistry and Physiology Part B Biochemistry and Molecular.Biology.. 136. 15-26 (2003)
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[Publications] Y.Hirate, H.Okamoto, K.Yamasu: "Structure of the zebrafish fasciclin I-related extracellular matrix protein (big-h3) and its characteristic expression during embryogenesis."Gene Expression Pattrns. 3. 331-336 (2003)
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[Publications] A.F.Giusti, F.J.O'Neill, K.Yamasu, K.R.Foltz, L.A.Jaffe: "Function of a sea urchin egg src family kinase in initiating Ca^<2+> release at fertilization."Developmental Biology. 256. 367-378 (2003)