2004 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物において後脳領域を規定する遺伝子ネットワークの解明
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15570170
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
弥益 恭 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60230439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 昌孝 埼玉大学, 理学部, 助手 (70344950)
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Keywords | 個体発生 / 脳形成 / 転写調節 / 脊椎動物 / 前後軸 / プロモーター解析 / ゼブラフィッシュ / ミュータントスクリーン |
Research Abstract |
1.ゼブラフィッシュ(ZF)胚での後脳形成に際し、hoxb1b遺伝子が第3、4菱脳節の境界(r3/r4)を前端として後方神経板で発現し、r4の位置決定を行うことが知られる。そこで、後脳のパターニングの制御機構を知ることを目的とし、hoxb1bの転写制御領域の検討を遺伝子導入法により進めた。以前に上流8kbに体節形成期での転写調節能があることを明らかとしていたが、制御活性が、-1.8kbおよび-4.6kbの二カ所(UER1,2)に局在することを新たに見いだした。一方、下流4.5kbDNAが、上流DNAとは独立して原腸形成期以降に後方神経系に特異的な発現調節を行いうること、この領域内の+1.5kbと+4.7kbに存在する2領域(各々d1CR、d4CR)が主要転写調節領域であり、いずれもがretinoic acidにより直接制御されることを示す結果を得ている。 2.ZF胚において、様々な領域に特異的に発現して脳を含めた胚領域のパターニングを行うfgf8遺伝子について、遺伝子導入法により転写調節領域の検討を行った。その結果、遺伝子下流+14.9kbに耳胞エンハンサー、+15.1kbに中脳後脳境界(峡部)エンハンサーが存在すること、峡部エンハンサーの機能にPax2.1が関与する可能性を示した。また、峡部での発現を制御する領域が+10.6kbにも別に存在することも見いだしており、峡部におけるfgf8の発現が少なくとも2つの調節領域の制御下にあることを明らかとした。 3.脳形成を制御する遺伝子を同定することを目的として、脳形成異常を示すZF突然変異体のスクリーニングを進めた結果、これまでに中脳形成不全変異体、間脳背側の異常変異体、接触反応異常変異体を単離した。現在、表現型の解析を行う一方、突然変異のマッピングに着手している。
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