2003 Fiscal Year Annual Research Report
ウズラ胚背部羽毛芽色素パターン形成を制御する遺伝子群の探索と発現解析
Project/Area Number |
15570173
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
塩尻 信義 静岡大学, 理学部, 教授 (70162568)
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Keywords | 黒色初毛致死変異 / メラノサイト / 羽毛芽 / 色素パターン / ウズラ / 発生遺伝学 |
Research Abstract |
ウズラ胚背部羽毛芽列にはメラノサイトが作る黒、黄色の縦縞色素パターンがあるが、その形成メカニズムを、色素パターンが激変する黒色初毛致死突然変異体(Bh)を用いて明らかにすることが本研究の最終の目的である。本年度は、マウスメラノサイトで色素合成に直接、関わるとされるα-MSH (PCMC)、その受容体(MC1R)、アンタゴニストであるアグーチタンパク質のcDNAをウズラ胚からクローニングし、それぞれの発現解析をBh各遺伝子型胚で行った。POMC、MC1R、アグーチいずれのmRNAも羽毛芽列の色素パターンに対応する発現パターンを示さなかったが、POMCが表皮、MC1Rがメラノサイトで発現しており、α-MSHシグナリングがウズラ胚羽毛芽色素合成系で働いている可能性が高いことが示唆された。また野生型黒色ならびに黄色羽毛芽からmRNAを抽出、cDNAを作製しそれぞれの間でサブトラクションを行い、黒色ならびに黄色羽毛芽(それぞれのメラノサイトを含む)特異的に発現する遺伝子群の単離と発現解析を行った。黄色羽毛芽に特異的に発現する遺伝子は今回単離できなかったが、黒色羽毛芽で発現が上昇するもの20個が得られ、そのうちの1つはmelanoma antigen recognized by T-cells 1 (MART-1)であった。これは、羽毛芽色素パターンを解析するうえでいいマーカーになるものと思われる。GDRDAにより先に単離したBh遺伝子の連鎖マーカーを用いてFISHを行い、Bh遺伝子が1番染色体長腕に位置することをつきとめた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Niwa, T., Shibusawa, M., Matsuda, Y., Terashima, A., Nakamura, A., Shiojiri, N.: "The Bh (black at hatch) gene that causes abnormal feather pigmentation maps to chromosome 1 of the Japanese quail"Pigment Cell Research. 16. 656-661 (2003)