2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570189
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田宮 徹 上智大学, 理工学部, 助教授 (30119135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神澤 信行 上智大学, 理工学部, 助手 (40286761)
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Keywords | 蛇毒 / ホスホリパーゼA2 / 分子進化 / 加速進化 |
Research Abstract |
溝牙科(コブラ、ウミヘビ)に属する毒ヘビの遺伝子中には、毒腺で発現している毒PLA2(IA型)遺伝子と生物が普遍的に消化酵素として持っている膵臓PLA2(IB型)の遺伝子が共存するはずである。従って、溝牙科毒ヘビのPLA2遺伝子には、共通の祖先遺伝子から酵素遺伝子としての機能を捨て、或いは保ちつつ、毒PLA2(IA型)遺伝子として進化したもの、膵臓PLA2(IB型)遺伝子として進化を遂げてきたもの、さらに、炎症部で発現する非膵臓型PLA2(II型)として進化してきたもの等が存在すると考えられる。本研究では、エラブウミヘビを材料とし、毒ヘビ体内で発現している種々のPLA2遺伝子を明らかにすることにより、毒PLA2をコードする遺伝子の進化過程を明らかにすることを目的とした。 平成15年度は、各組織のcDNAライブラリーから、PLA2のスクリーニングを行ったが、陽性クローンを得ることが出来なかつた。そこで、毒腺・膵臓・肺のmRNAからRT-PCRによりIB型(膵臓タイプ)ならびにIA型(毒タイプ)PLA2の増幅を行い、心臓・膵臓・脳・肺・筋肉からIA型、心臓・膵臓・毒腺・脳・肺・筋肉からIB型を得た。cDNAの配列から推定されるIB型のアミノ酸配列には、哺乳類膵臓のIB型PLA2に存在する、プロ配列が無かった。エラブウミヘビ膵臓由来IB type PLA2遺伝子をprobeとし、様々な組織(心臓・膵臓・毒腺・肝臓・脾臓・肺・筋肉)から抽出したRNAを用いてNorthern blottingを行った。しかしながら、毒腺以外の組織ではprobeと反応するbandは認められず、その発現量がかなり低いことが示唆された。以上の結果から、エラブウミヘビの各組織では、非常に微量ではあるが、IA型IB型PLA2遺伝子が発現していることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fujimi, T.J., Nakajyo, T., Nishimura, E., Ogura, E., Tsuchiya, T., Tamiya T.: "Molecular evolution and diversification of snake toxin genes, revealed by analysis of intron sequences."Gene. Aug 14;313. 111-118 (2003)
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[Publications] Fujimi, T.J., Yasuoka, S., Ogura, E., Tsuchiya, T., Tamiya, T.: "Comparative analysis of gene expression mechanisms between group IA and IB phospholipase A2 genes from sea snake Laticauda semifasciata"Gene. accepted. (2004)