2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムタイピングによる霊長類集団の遺伝的多様性の評価とその応用
Project/Area Number |
15570195
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 洋之 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20335243)
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Keywords | ゲノムタイピング / 増幅DNA断片長多型 / AFLP / 遺伝的多様性 / ニホンザル / アジルテナガザル / チャイロキツネザル |
Research Abstract |
本研究は、増幅DNA断片長多型(AFLP)分析を霊長類集団の分子遺伝学に導入することを目的として、次の2項目の研究計画を実施する。1)霊長類研究所で維持される家系の明らかなマカカ属サルを用いて、個体間の遺伝的関係が階層的に変化するときのAFLPの遺伝的多様度の変化を調べ、基礎情報とする。AFLP分析の応用的研究として、2-a)染色体相互転座変異をもつアジルテナガザル2亜種と2-b)チャイロキツネザル種間雑種集団の遺伝学的解析を行う。本年度は、研究期間の最終年度であるが、各研究項目は下記の通り進行中であり、来年度以降に成果として公表される予定である。1)当研究所のニホンザル閉鎖集団のひとつである嵐山群を対象にして、母子記録から作成した家系図に基づいて、マイクロサテライトDNA分析により個体間の遺伝的関係を明らかにする作業をすすめている。同時にAFLP分析を行っており、現在、個体のAFLPプロファイルのデータを蓄積している。2-a)染色体変異をもつアジルテナガザル・スマトラ産亜種とこれを持たないカリマンタン産亜種との間でAFLP分析を行っている。現在、AFLP実験を終え、データの解析を行っている。2-b)チャイロキツネザル種間雑種集団(互いに染色体数の異なる種の交配から生まれた集団)のサブグループ間の遺伝的関係をまず探るため、全個体についてmtDNAのD-loop領域400bpの塩基配列決定を行った。この結果と染色体変異との関係を解析し、論文にまとめつつある。また、AFLP分析をすすめるための諸条件の設定が完了し、現在、実験をすすめている。
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Research Products
(1 results)