2003 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類MHCクラスIならびにMIC遺伝子群のゲノム生物学的解析
Project/Area Number |
15570199
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
深海 薫 独立行政法人理化学研究所, 情報解析技術室, 室長(副主任研究員待遇) (20225494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 秀 独立行政法人理化学研究所, 情報解析技術室, 研究員
舘野 義男 国立遺伝学研究所, 生命情報・DDBJ研究センター, 教授 (00202424)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
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Keywords | 霊長類 / MHC / MIC / ゲノム / 免疫学 / 分子進化 / チンパンジー / アカゲザル |
Research Abstract |
本年度はまず研究分担者の猪子によりアカゲザルのMHCクラスIならびにMIC(MHC Class I Chain Related)遺伝子群を含むゲノム領域の塩基配列の決定が行われた。アカゲザルの該当ゲノム領域のクローンが作成された後、それらが増産され、塩基配列の決定が行われた。猪子らは塩基配列決定技術において、ショットガン法に高周波による断片形成法を結合し、特に断片の整列化がより効率的に実現出来る方法に改良を重ねてきた。チンパンジーのゲノム配列決定の際にも威力を発揮したこの改良法を使用することにより、高速で正確な配列決定を行われた。次に決定されたアカゲザルのゲノム塩基配列のデータを用いて、MHC、MIC遺伝子群の各遺伝子のエクソンや蛋白質コード領域の位置の同定、LINEの探索が行われた。この領域の進化を明らかにするための解析は、深海、舘野、岩瀬が分担して行った。まず深海と舘野らが構築している国際DNAデータベースならびにその関連データベースからアカゲザル以外の霊長類が持つMHC、MIC遺伝子やそれら遺伝子群を含むゲノム領域の塩基配列データを入手、データ解析用の配列データベースを作成した。そこに今回決定されたアカゲザルの配列データを追加した。現在このデータベースを用いて、霊長類のMHC、MIC遺伝子が存在するゲノム領域について、ヒトと真猿類とが分岐した時点から現在に至るまでの進化を明らかにするための分子進化的解析を遂行中である。これには深海、舘野らが開発してきた種々のコンピュータプラグラムなどが使用されている。このように各々の分担を遂行すると共に、随時オンラインで互いの研究の進み具合について連絡を取り合いながら研究を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tatsuya Anzai: "Comparative sequencing of human and chimpanzee MHC class I regions unveils insertions/deletions as the major path to genomic divergence."Proc Nat Acad Sci. 100. 7008-7713 (2003)
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[Publications] Dunn Ds: "Association of MHC dimorphic Alu insertions with HLA class I and MIC genes in Japanese HLA-B48 haplotypes."Tissue Antigens. 62. 259-262 (2003)
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[Publications] Yoshio Tateno: "Evolution of the MHC class I genome region in man and chimpanzee."Annual Report of the National Institute of Genetics.. 53. 95-95 (2003)
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[Publications] 椎名隆: "ゲノムからみた生物の多様性と進化"シュプリンガー・フェアラーク東京. 222 (2003)