2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570202
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
中村 泰人 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (60025963)
|
Keywords | 暑熱適応 / 人工気候室 / 短期順化 / 長期順化 / 発汗量 / 核心温 / 暑熱感 / 発汗感 |
Research Abstract |
暑熱順化の様相については、一般に繰り返し型暑熱順化(短期暑熱順化ともいう)と、連続暴露方暑熱順化(長期暑熱順化ともいう)の二様が知られている。前者は1日に4〜6時間の暑熱の繰り返し曝露を行った場合の順化で、発汗が早くに起こって体温の上昇が抑えられ、日本などの温帯地方の夏に現れる、とされている。一方、後者は連続的な暑熱曝露で、発汗量は少なくなるとともに蒸発効率が増加し、深部体温が上昇して顕熱放散が増加するもので、熱帯地方で現れる、とされている。そこで問題は、日本の夏で暑熱順化がどのように現れるか、を知ることである。 研究は人工気候室を用いて行った。暑くも寒くもない、温度25度、湿度50%の準備室に30分以上滞在して後、温度30度、湿度50%の試験室に移動して30分を過ごすという、温度にして+5度の熱負荷を課する実験である。生理反応として発汗量、耳内温(深部体温)、平均皮膚温、を測った。心理反応としては温冷感、快適感、発汗感、を調べた。結果の解析は、準備室の状態から試験室の状態へ、生理反応および心理反応の変化量を中心に調べた。被験者は健康男子学生5名であった。 その結果、6月から10月に及ぶ実験を通じて、5人の被験者は共通して、暑熱順化のない平常期から、繰り返し型暑熱上昇順化期を経て、真夏の連続曝露型暑熱順化期に達し、やがて、繰り返し型暑熱下降順化期を経て、平常期へ戻って暑熱順化が消える、という道筋をたどることがわかった。
|
Research Products
(4 results)