2004 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸固定活性化酵素の改変によるイネ葉光合成機能の強化
Project/Area Number |
15580012
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
畠中 知子 神戸大学, 農学部, 講師 (40254461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 直次 神戸大学, 農学部, 教授 (70151884)
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Keywords | イネ / Rubisco acitivase / 野生種 / 形質転換 / 炭酸固定 / 光合成 |
Research Abstract |
イネのジャポニカ種(品種、Nipponbare)のRubisco activaseのcDNAをクローニングし、CabプロモーターにつないたT-DNAベクターを構築した。このT-DNAベクターを、アグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens)EHA101系統に凍結融解法により導入した。 次にイネ種子(Oryza sativa L.Nipponbare)からカルスを誘導し、上記ベクターを持つアグロバクテリウムを感染させ、ハイグロマイシンによって形質転換個体を選抜した。現在までにベクターコントロール、センス、アンチセンスの形質転換体をそれぞれ十数から数十個体得た。これらについては既にハイグロマイシン耐性遺伝子断片のPCR増幅によって導入遺伝子の存在を確認したが、引き続きゲノミックサザン解析を行い、導入コピー数を確認する予定である。センス遺伝子導入個体の形態約な特徴として、ベクターコントロールや野生型に比較して葉や稈が細かった。 これら形質転換植物の葉のCO_2-光合成曲線から炭酸同化効率を算定するとともに、Rubisco activaseを免疫定量した。センス遺伝子を導入した形質転換体では炭酸同化効率が高濃度のCO_2(1800ppm)条件下ではコントロール個体の最大値を上回った個体もあったが、平均ではコントロール個体に比べて有意に低下していた。また、センス遺伝子導入個体ではRubisco activase含量はコントロール個体群の平均の7%程度にまで減少していた。このことから、Co-suppressionもしくはPost-transcriptional gene silencingといった抑制減少が起こっている可能性が高かった。つまりRubisco acitivaseの過剰発現体の作出には至っていないので、昨年度に単離したO.australiensisのRubisco acitivaseと思われるcDNAか、ホウレンソウ等の多種のRubisco acitivaseを利用することを検討中である。
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