2003 Fiscal Year Annual Research Report
都市型・観光イチゴ栽培システムの構築と花芽分化の制御
Project/Area Number |
15580019
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北条 雅章 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助教授 (90110296)
|
Keywords | イチゴ / 養液栽培 / 観光農業 / 車いす / 花芽分化 |
Research Abstract |
都市型園芸の確立を目指し、養液栽培でイチゴを作付けした。栽培の培地に粉砕ヤシガラ(ルートリッチ)、ロックウールチップ、針葉樹樹皮(クリプトモス)を供試し、イチゴとちおとめの促成栽培を行なった結果、三種の培地では生育、収量に差が認められずどれも充分実用性があることが判明した。また、土を使わないため、清浄な環境で栽培を遂行でき、土壌伝染性の病害は皆無であった。しかし、アブラムシやダニなどの虫害は発生が見られ今後の課題となった。農薬の散布回数は3月末までで2回と少なくなった。4月以降、本経費で導入された苗生産システムを使い、イチゴのランナーの安定的な発生条件の究明と、その後に続く花芽分化の促進について研究を行う予定になっている。苗生産システムでは、温度、日長、湿度を制御し、経験的に行ってきた苗の増殖に理論的な検討を加えるつもりである。 本研究の目的の一つである観光イチゴ栽培システムについては、既存の施設で検討した。土耕栽培と違い、イチゴの実が高い位置にあるため、腰を曲げることなく収穫が可能で、観光者を想定した場合には極めて有効な施設であった。また、車いすにより、被験者が施設に入り、実際にイチゴの収穫を体験した。その結果、通路は80cm以上あれば、車いすの自走が可能であること。イチゴ栽培施設は、地上1.2〜1.3m付近に設置されているため、車いすでは収穫の際、やや高すぎること。施設内では培養液タンクなど車いすの走行を妨げる物があること等が判明した。今後、施設の高さ、ベット間隔等を改良し、より安全、安心の施設の構築を検討したい。
|