2004 Fiscal Year Annual Research Report
都市型・観光イチゴ栽培システムの構築と花芽分化の制御
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15580019
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北条 雅章 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助教授 (90110296)
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Keywords | イチゴ / 花芽分化 / 閉鎖系苗生産システム / ランナー / 観光イチゴ / 苗テラス |
Research Abstract |
閉鎖型苗生産施設(苗テラス)において8月9日〜9月2日まで日長8h、温度25-15℃、CO2濃度1000ppmの条件で夜冷処理を行った。処理終了時の花芽分化程度は、標準区が分化初期前であったのに対して、夜冷処理では、無追肥で花芽発育期、追肥区で分化初期と分化が進み、苗テラスでの夜冷処理の有効性が認められた。夜冷処理により開花も早まり、10日程度標準区より開花が早くなった。それに伴い収穫期も早まった。イチゴの苗生産方法の改善とランナー発生早期化のため、苗テラスにおいて2月上旬と3月上旬から日長16h、温度25-15℃、CO2濃度1000ppmの条件で親株の栽培を行った。株当たりのランナーの発生を3月下旬に調査したが、露地では0本に対して、2月処理では3.2本、3月処理では1.4本となり、苗テラスで親株を育成することは早期のランナー発生を促し、採苗本数を増加させ得ることが確認できた。また同時に設置した高設の養液栽培装置で、4月より苗生産を行なったが、土壌を使わないため炭痘病などの蔓延もなく小面積でイチゴ苗を生産できることが再確認できた。さらに苗テラスとイチゴ栽培装置の利用効率を上げるため、4月上旬播種のハウスメロンを苗テラスで育苗し、5月上旬にイチゴ収穫終了後の栽培装置に定植し、半つる下ろし栽培を行った結果、慣行法に匹敵する収量を得た。イチゴのランナー発生促進、メロンの育苗、イチゴの夜冷処理と連続して使用することにより苗テラスの効率化がはかれた。養液栽培により土壌を使わず、有機物の投入や土壌消毒が不要となり、また苗テラス使用により都市における農業の方向性が見いだせた。さらにイチゴの栽培装置を高設にすることにより、管理、収穫作業が楽な姿勢で行え、このことは不特定多数の観光客が収穫する観光農業においても十分に有用であることが判明した。通路が広く確保できることから施設内で車椅子による移動も可能となることが実証できた。
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