Research Abstract |
本年度はマッピング集団の個体数とマーカーの数を増やしてAllium cepaの連鎖地図作成を行った。タマネギ(在来品種‘早玉')とシャロット半数体倍加系統(タイ産系統‘チェンマイ'由来)間のF_2世代114個体を供試し,96通りのプライマー組合せについてAFLP分析を行なったところ、64組合せでそれぞれの両親に特異的でF_1へ遺伝するAFLPマーカーが得られた。次に,これら両親に特異的なマーカーを用いて連鎖地図作成ソフト「JoinMap 3.0」によりAFLP地図の作成したところ,タマネギでは110個のマーカーから成る五つの連鎖群が形成された。それぞれの連鎖群は102、2、2及び2個のマーカーから成り,長さはそれぞれ,55.5,9.6,6.2,13.8及び29.5cMであった。また,シャロットでは69個のマーカーから成る七つの連鎖群が形成され,各連鎖群は45,6,6,4,4,2及び2個のマーカーからなり,長さはそれぞれ79.0,36.0,27.1,14.3,11.1cMであった。さらに、F_2世代において種々の農業形質(ほう芽日,抽苔日,分げつ数,葯色及び球皮色)に関する調査を行ったところ,いずれの形質においても量的な遺伝分離がみられた。一方で,8種類のシャロット染色体(1A-8A)をそれぞれもつネギ単一異種染色体添加系統シリーズを用いてシャロット染色体特異的AFLPマーカーの開発を試みた。12通りのプライマー組合せを用いてネギとシャロットの間で増幅ピークの有無を比較したところ,455本がシャロットに特有なピークであった.これらのピークの有無を添加系統シリーズについて調べたところ,単一染色体特異的にみられたピークは合計105個であった。同様の分析を30種類のタマネギSSRプラーマーを用いて行なったところ,合計24個の染色体特異的SSRマーカーが得られ,そのうちの幾つかが連鎖地図にも挿入された。最終的に,タマネギ第5連鎖群は第1染色体に,また,シャロット第2連鎖群は第3染色体にそれぞれ対応していることが判明した。
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