2006 Fiscal Year Annual Research Report
オールドローズの花弁にペラルゴニジン配糖体は存在するか?
Project/Area Number |
15580029
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Research Institution | Natural History Museum & Institute, Chiba |
Principal Investigator |
御巫 由紀 千葉県立中央博物館, 資料管理研究科, 上席研究員 (10250151)
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Keywords | バラ / オールドローズ / アントシアニン / ペラルゴニジン配糖体 / 花色 |
Research Abstract |
本研究では19世紀に作出されたバラ園芸品種を1)ガリカ系オールドローズ、2)ガリカ系オールドローズにチャイナローズを交配した品種群、3)ノイバラに中国原産の四季咲き矮性品種を交配したポリアンサ系統の3グループに分け、花弁中のアントシアニン組成の分析を進めてきた。 今年度は、19世紀初頭から20世紀初頭にかけて作出されたポートランド系統(4)、ノアゼット系統(3)、ブルボン系統(7)、ハイブリッド・パーペチュアル系統(20)、あわせて34品種のサンプルを新たに入手し、詳細な分析を行った。 昨年度までにペラルゴニジン配糖体と思われる成分が検出された品種については、HPLCによる精密分析および薄層クロマトグラフィによる再確認を行った結果、2)グループに属するハイブリッド・パーペチュアル系統、ティー系統の品種で、少量ながらペラルゴニジン配糖体(3,5-ジグルコシドおよび3-グルコシデ)が確認された。これらのほかに、3-位および5-位に糖を一つずつ有するが、糖がグルコースでない配糖体と思われる成分が検出されたため、現在さらに詳細な分析を行っている。 本研究の結果から、従来、ポリアンタ系統の品種で起きた突然変異で初めて生じたと考えられていたペラルゴニジン配糖体が、実際にはそれより古い系統でも生じていたことが明らかになった。分析中の糖の成分が明らかになり次第、結果を論文の形で公表する予定である。
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