2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞壁多糖ラムノガラクツロナンIIの金属結合サイトの解明
Project/Area Number |
15580053
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
松永 俊朗 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・環境資源研究部, 室長 (20355647)
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Keywords | ラムノガラクツロナンII / 希土類 / サイズ排除HPLC / ICP-MS / 植物細胞壁多糖 |
Research Abstract |
【目的】ラムノガラクツロナンII(RG-II)は、植物細胞壁多糖ペクチンの一部を構成する多糖である。細胞壁中では、2分子のRG-II単量体(mRG-II)が1分子のホウ酸により架橋されdRG-II-B複合体を形成することにより、細胞壁構造が安定化されている。単離されたdRG-II-B複合体には特定の金属イオンが結合しており、複合体構造の安定化に寄与している。しかし、金属イオンの結合サイトは明らかにされていない。そこで本研究では、RG-II分子内の金属結合サイトの解明を目指す。 【方法】シュガービート細胞壁等から得たmRG-IIを0.1Mトリフルオロ酢酸(TFA)で50℃2h,4h,8h,16hまたは100℃1h処理後、凍結乾燥して、部分加水分解物を調製した。部分加水分解mRG-Hに過剰のLaCl_3を混合し、サイズ排除HPLC/ICP-MS分析した。また、Laと結合するmRG-II部分加水分解物ピークを分取し、糖残基組成をGC分析した。 【結果】mRG-II部分加水分解物の主成分であり、mRG-IIより分子量が少し小さい分子のみに、Laイオンは結合した。結合量は加水分解が進むにつれて少なくなり、100℃1h処理では結合しなかった。また、TFA50℃4h処理で、側鎖BとCの一部が加水分解された。50℃16h処理で、側鎖BとCの約2/3が分解されたが、側鎖AとDはほとんど分解されなかった。100℃1h処理で、側鎖B,C,Dはほとんど分解されたが、側鎖Aは一部残っている可能性があった。以上の結果は、希土類イオンは、単独の直鎖や側鎖、およびそれらの断片には結合しないことを示している。また、希土類イオン結合サイトには、直鎖と側鎖A,Dに加えて、側鎖BまたはCの存在が必要であることを示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松永俊朗, 石井忠: "植物体内でのホウ素の化学形態と動態・機能"季刊肥料. 96. 64-70 (2003)
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[Publications] 石井忠, 松永俊朗: "植物細胞壁形成におけるペクチン多糖ラムノガラクツロナンII-ホウ酸複合体の機能"Cellulose Commun.. 10(4). 160-164 (2003)
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[Publications] T.Matsunaga, T.Ishii, S.Matsumoto, M.Higuchi, A.Darvill, P.Albersheim, M.A.O'Neill: "Occurrence of the primary cell wall polysaccharide rhamnogalacturonan II in pteridophytes, lycophytes, and bryophytes : Implications for the evolution of vascular plants."Plan Physiol.. 134. 339-351 (2004)