2003 Fiscal Year Annual Research Report
根粒菌シグマ因子(rpoH)変異株を利用した新規共生窒素固定遺伝子の同定
Project/Area Number |
15580056
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三井 久幸 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (40261466)
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Keywords | 根粒菌 / 共生 / 窒素固定 / シグマ因子 / 転写 / 熱ショックタンパク質 / マメ科 / 相互作用 |
Research Abstract |
S.melilotiのシグマ因子rpoH_1変異株の感染によって形成される無効根粒の切片の光顕・電顕観察から、rpoH_1変異がバクテロイドの早期老化を引き起こすことを確認した。また、プレート培地上でのアッセイにより、野生株と比較してrpoH_1変異株では、界面活性剤・エタノール・酸性pH等に対する耐性が低下していることを見出した。これらの結果から、rpoH_1変異株のFix^-の直接の原因として、宿主細胞内の環境ストレスに対する高い感受性を提示することができた。また、RpoH_1 regulonのスクリーニング方法として、rpoH_1変異株のデオキシコール酸(DOC)感受性に着目し、rpoH_1変異の影響を受けないようなプロモータからの発現によって、そのDOC感受性を抑圧するような遺伝子のスクリーニングを実行した。その際、プラスポゾンpTnMod-OGmにgroESL_1のプロモーター(rpoH_1変異の有無によらず構成的な転写パターンを示す)配列を挿入することによって作成した「可動性groESL_1プロモーター」をrpoH_1変異株ゲノム上にランダムに挿入することによって、DOC耐性が増した形質転換体をプレート培地上で取得することを試みた。エレクトロポレーションによるS.melilotiの形質転換効率は実用に耐えない低さであったが、ゲノム上の制限修飾系遺伝子(hsdMSR)を欠失させることによって効率(No.of transformants per μg DNA)を10^2上昇させることができた。合計308,880個の形質転換体(Gm耐性株)をスクリーニングに供し、結果として42個のDOC耐性株が得られた。各株について、挿入groESL_1プロモーターのrpoH_1変異株への再導入、挿入位置のマッピング、植物接種試験を行うことによって、目的遺伝子の絞り込みを進めている。
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Research Products
(1 results)