2004 Fiscal Year Annual Research Report
納豆菌γ-ポリグルタミン酸の生合成、生分解およびその制御機構の分子生物学的研究
Project/Area Number |
15580058
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Research Institution | Shizuoka university |
Principal Investigator |
田原 康孝 静岡大学, 農学部, 教授 (30022320)
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Keywords | 納豆菌 / γ-gultamyltranspeptidase / end-γ-glutamylhydrolase / Bacillus subtilis / carboxypeptidase G / PGA分解酵素(YwtD) / γ-ポリグルタミン酸 / 合成オリゴPGA |
Research Abstract |
納豆菌γ-glutamyltranspeptidase(GGT)を合成オリゴPGA(L4D4)に作用させると、L4が優先的に遊離し、D-Gluの分解が続いた。D4L4からはD-Glu、L-Gluの順序で遊離した。一方、ウシ、ウマ由来のGGTは、L4のみを分解し、D4にはまったく作用しなかった。このことから、動物由来のGGTは、納豆菌GGTと異なって、PGAのN-末端L-Gluのみを切断する酵素であることが明らかになった。この基質特異性の違いは、これら酵素をPGA構造解析の道具として利用する場合きわめて貴重である。納豆菌GGTの転移活性とオリゴPGA(L4)分解活性の比は100:30.6であるが、ウシ由来GGTの比は100:1.2であった。これらの結果から、細菌由来のGGTの本来の機能は動物由来のGGTのそれとは異なっていることが示唆された。納豆菌PGA分解酵素(YwtD)の低分子分解産物(F2)に、納豆菌GGT、ウシ由来GGTの他に、PGAのL-GluとL-Gluの間を特異的に切断するラット由来のendo-γ-L-glutamylhydrolaseと、PGAのC-末端からL-Gluのみを順次切断するcarboxypeptidase Gを作用させて、F2の構造を解析した。YwtDの低分子分解産物(F2)の構造は、N-末端からD-Gluが10個連結し、続いてL-Glu-L-Glu-D-Glu-D-Glu-D-Gluが結合したものであると推定された。この推定構造からYwtDの切断部位は、N-末端側に存在するL-Gluを認識してC-末端側のD-GluとD-Gluの間を切断する特異性の高いエンド型のPGA分解酵素であると考えられた。
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Research Products
(2 results)