2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム操作技術の開発 -枯草菌の高頻度形質転換因子の解明-
Project/Area Number |
15580070
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
田口 久貴 崇城大学, 生物生命学部, 助教授 (90212018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 隆 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (50133567)
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Keywords | 高頻度形質転換 / 枯草菌 / コンピテント細胞 / DNA結合たんぱく質 / 2本鎖DNA / pC194 / プロトプラスト |
Research Abstract |
ある種プラスミド(pC194の派生プラスミド)による枯草菌の形質転換では、供与DNAにプロトプラスト溶菌液中の未精製DNA(4×10^8)を用いると、精製DNA(7×10^4)より高頻度に形質転換体が得られる。DNA結合タンパク質の形質転換への関与が考えられる。この高頻度形質転換機構の解明を本研究の目的とする。 (1)DNA結合タンパク質の形質転換に及ぼす影響 結合タンパク質であるプロタミンおよびRNase Aの形質転換に及ぼす影響を調べた。両タンパク質を個々に精製プラスミドと混合して電気泳動するとバンドのシフトが認められた。10-25μg/mlのプロタミンの添加により、形質転換体数は約5倍増加し、それ以上の濃度では形質転換体数は減少した。一方、RNase Aでは、5mg/mlの添加により約3倍の増加が認められ、それ以上の濃度での形質転換体数は一定であった。 (2)プラスミドDNA濃度の形質転換に及ぼす影響 精製プラスミドによる枯草菌の形質転換は、細胞内に取り込まれた複数の1本鎖DNAが相補的にアニーリングし、複製して完全なプラスミドが修復されて生じると考えられている。このため、供与プラスミドの濃度を下げると指数的(2次反応的)に形質転換体数は減少する。未精製のプラスミドDNAを用いて同様の実験を行なったところ、供与プラスミドDNA濃度が減少すると1次反応的に形質転換体数が減少することを認めた。細胞内で、最低2分子の1本鎖DNAが相補的にアニーリングし完全なプラスミドが修復されるならば、2次反応になる。しかし、1次反応的減少が認められたことより、プラスミドDNAは2本鎖で取り込まれていると結論した。
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