2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞老化プログラム駆動因子の探索と新規創薬ターゲットとしての検証
Project/Area Number |
15580081
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
片倉 喜範 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50264106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照屋 輝一郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (10273971)
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Keywords | 細胞老化 / 創薬ターゲット / TAK1 / PKC-δ / テロメラーゼ / テロメア |
Research Abstract |
1.テロメラーゼ触媒サブユニット遺伝子転写制御機構の解析 ヒトテロメラーゼ触媒サブユニット遺伝子(hTERT)プロモーターの抑制能を有する因子の検索を行った結果、炎症性サイトカインシグナル経路の下流キナーゼであるTAK1、その下流MAPキナーゼであるp38、およびPKC-δがhTERTプロモーター抑制能を有することを明らかにした。TAK1は、hTERTプロモーターに存在するSp1へのHDACのリクルーを介して転写抑制を引き起こすことを明らかにした。 2.マウステロメラーゼ触媒サブユニット遺伝子の転写制御機構の解析 ヒトおよびマウステロメラーゼ(hTERTおよびmTERT)プロモーターの解析から、両プロモーターの制御機構が大きく異なっていることが明らかとなった。つまりhTERTプロモーターは、ガン細胞および幹細胞でのみその活性が観察されるのに対し、mTERTプロモーターは正常・ガン細胞を問わず、非常に強い活性を有していることが明らかとなった。さらに、mTERTプロモーターは、hTERTプロモーターにおいて優勢な転写活性化因子として知られているc-Mycの制御下にはなく、マウス独自の転写活性化機構を有していることが明らかとなった。そこでmTERTプロモーター特異的転写活性化因子の検索を行った結果、転写活性化に寄与するcisエレメントの同定と転写活性化因子の同定に成功した。この転写活性化因子の個体での発現は、mTERT発現と非常によい相関を示し、mTERT発現の遍在性を説明しうるものと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ametani, A. et al.: "Amino acid residue substitution at T-cell determinant-flanking site in beta-lactoglobulin modulates antigen presentation to T cels through subtle conformational change."Biosci.Biotechnol.Biochem.. 67. 1507-1514 (2003)
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[Publications] Katakura, Y. et al.: "Decreased tumorigenicity in vivo when transforming growth factor beta treatment causes cancer cell senescence."Biosci.Biotechnol.Biochem.. 67. 815-821 (2003)
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[Publications] 山下万貴子 他: "モノクローナル抗体作製技術の新展開"バイオサイエンスとインダストリー. 61. 34-37 (2003)
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[Publications] 片倉 喜範: "食品とからだ-免疫・アレルギーのしくみ"朝倉書店(印刷中). (2003)