2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15580086
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
田崎 弘之 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (80231405)
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Keywords | 生合成 / フキ / フキノール酸 / フキ酸 / PAL / TAT / 組織培養 |
Research Abstract |
標識されたフキノール酸、クロロゲン酸、ジカフェオイルキナ酸のNMR分析により、フキノール酸のフキ酸部分がチロシン、酢酸を取り込み、コーヒー酸部分が、フェニルアラニンをそれぞれ選択的に取り込むことを明らかにした。また、フェニルピルビン酸、フェニル乳酸はフキ酸、コーヒー酸両方に取り込まれることを明らかにした。さらに、植物体の各部位(根、葉柄、葉身)での取り込みの比較を行い、根の部分が最も高く標識されており,葉柄,葉身へ行くにしたがって標識率は下がることが明らかになった 葉身、葉柄、地下茎、根いずれの部位にもフキノール酸が分布すること、葉柄では、クロロゲン酸、ジカフェオイルキナ酸の含有量が低いのに対して、フキノール酸含有量が高いことが見出された。これに対応してフキ酸部分の生合成に関わるTAT活性が葉柄では高いことが示された。一方、PAL活性は、どの部位でも平均的に活性が見出され、TAL活性は検出できなかった。 酢酸緩衝液中に浸漬した植物体切片は、フキノール酸含有量が3倍に上昇し、なおかつフキ酸側鎖のC2単位に酢酸が取り込まれた。しかしながら、セルフリー実験では、酢酸存在下、フキ酸およびフキノール酸の合成は確認できなかった。しかしながら、PAL活性、TAT活性は、酢酸緩衝液で処理した植物体では、対照区として行ったリン酸緩衝液処理した植物体に較べ、低くなっていた。上記、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液処理した植物体のタンパクを抽出し、二次元電気泳動にかけたところ、両者に共通しない複数のスポットが確認できた。 チロシンのアナログであるニトロチロシン投与による、植物体からのニトロチロシン代謝物、ニトロチロシン結合タンパクの存在を調べたが、ニトロチロシンがフキ植物体内にほとんど取り込まれず、代謝物、結合タンパク両方とも存在を確認できなかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tazaki, H., Kawabata, J., Fujita, T.: "Novel oxidative dimer from caffeic acid"Bioscience Biotechnology Biochemistry. 67(5). 1185-1187 (2003)