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2005 Fiscal Year Annual Research Report

中部山岳地におけるトウヒ類さび病菌の生活環と発生生態に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15580122
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

今津 道夫  信州大学, 農学部, 助教授 (30261770)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小野 義隆  茨城大学, 教育学部, 教授 (90134163)
Keywordsトウヒさび病 / ハクサンシャクナゲさび病 / Chrysomayxa succinea / リボソームDNA / PCR-RFLP解析 / 寄生性分化 / 発生生態 / 生活環
Research Abstract

これまでの調査研究の結果から生活環が異なることが明らかになった富士山と八ヶ岳のChrysomyxa succineaについて発生地ごとに病原菌試料を多数サンプリングし、病原菌個体群の遺伝解析を行った。その結果、すべての供試菌はリボソームDNA ITS領域とD1/D2領域のいずれの塩基配列においてもきわめて高い相同性を示した。一方、IGS領域のPCR-RFLP解析では供試菌間で多型が認められ、異種寄生型生活環を送る八ヶ岳、富士山三合目、御殿庭の個体群では病原菌個体間で遺伝的変異が認められたのに対して、同種寄生型生活環を送る富士山御庭と五合目の個体群では遺伝的変異が認められず、同一のバンドパターンを示した。さらにそのバンドパターンは異種寄生型生活環を有する病原菌個体群においてみられるものとは異なっていた。これらの遺伝子解析の結果は、発生生態や接種実験結果とよく一致しており、中部山岳地に分布するC.succineaはトウヒ上で精子・さび胞子世代、シャクナゲ上で冬胞子世代を生じる異種寄生型生活環を有する個体群と、シャクナゲ上で夏胞子世代のみを繰り返す同種寄生型生活環を有する個体群に分化していることが明らかとなった。また、中部山岳地で採集したトウヒ類さび病菌の多数の供試菌を用いたリボソームDNAのシーケンシング解析によりトウヒ類さび病菌の種間の系統関係を明らかにし、トウヒ、ハリモミ、ヤツガタケトウヒ・ヒメマツハダの各トウヒ属植物への寄生性分化ならびに生活環の分化がさび病菌の種分化に大きく関わっていることが示唆された。以上の研究成果は、現在Mycoscience誌および日本菌学会会報に投稿準備中である。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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