2005 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系科学の応用による森村斜面不安定化予測と水源涵養に及ぼす影響の評価
Project/Area Number |
15580126
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大村 寛 九州大学, 農学研究院, 教授 (30091151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 哲也 九州大学, 農学研究院, 助教授 (40243381)
大槻 恭一 九州大学, 農学研究院, 教授 (80183763)
森田 紘一 九州大学, 農学研究院, 助手 (10038341)
日浦 啓全 高知大学, 農学部, 教授 (30046495)
海掘 正博 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30183776)
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Keywords | 複雑系 / フラクタル / 地すべり / 崩壊 / 竹林 / 自己組織化 / 斜面安定 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、西日本を対象として、山地森林域に生じた地すべり群のフラクタル次元を計測し、地すべり発生面積率・重複発生率と移動方向・移動距離との関連を研究した。その結果、このフラクタル次元は発生面積率・重複発生率との相関が強く、これらの一括した指標となりうることが明確となった。フラクタル次元が大きい場合は発生予測精度が劣化することが判明しており、これは地すべり危険度マッピングにおいて重要な指標となる。加えるに、地質に依存して渓流に対し一定の鋭角方向へ移動する地すべりが多くを占める場合があることを見出した。これらの知見は、地すべりの危険範囲を定めて土地利用規制を行う際など斜面不安定化評価の有用な知識となる。 また、四国地域においては、フラクタルを用いて山地荒廃につながる竹林の拡大特性について明確にした。 さらに、九州の山地災害を中心にその再発生頻度を研究し、これに自己組織化臨界現象(SOC)の仮説を応用し、林地崩壊起源土石流などの再発間隔を評価し、SOC特有のべき乗則により再発間隔(年数)が推定できる可能性を示した。 山地森林斜面の土壌水分量に関しては、その時間変動を観測し、これにフラクタル次元の活用や自己組織化臨界現象仮説を応用し、水源滴養に及ぼす影響の評価を試みたが、これについてはデータ数が十分でない面もあり今後の継続観測と解析が待たれる。 これらの結果は、斜面不安定化評価や水源涵養の評価に対して有用な知見と技術的見通しを与えるものと考える。
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Research Products
(3 results)