2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580133
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
矢口 行雄 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (50157971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 享夫 東京農業大学, 国際食料情報学部, 客員教授
河原 輝彦 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (40318176)
菅原 泉 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教授 (50187639)
本間 環 東京農業大学, 地域環境科学部, 客員研究員 (90294347)
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Keywords | スギ / スギこぶ病 / スギこぶ肥大速度 |
Research Abstract |
スギこぶの肥大速度について本学奥多摩演習林で、大きさが1.2〜12.2mmのこぶを9個、その長径、短径および高さを経時的に計測し平均値を求めた。その結果、スギこぶの肥大速度は、0.14〜0.52mm/月であることがわかった。すなわち伊藤(1962)が報告した人頭大のこぶに肥大するには、約30年以上かかるものと推定された。 次に、スギ樹冠内におけるこぶの発生分布を調査するため、罹病木を6本伐倒し、枝下高より頂端までを1m間隔に切断後、各層における枝および葉におけるこぶの発生を調査した。その結果、罹病木6本に発生していたこぶの合計は2,528個で、罹病木1本に108〜793個のこぶが発生していた。そこで調査木6本の樹冠内におけるこぶの数を枝と葉に分けて調査した結果、こぶが枝に多く発生がみられた場合には、その先の葉にも多く発生していることがわかった。こぶの大きさを枝と葉に分けて比較検討した結果、枝では5〜20mmのこぶが多いのに対して、葉では10mm以下のこぶが多くみられた。また、樹冠内におけるこぶの垂直分布には、顕著な規則性はみられなかった。 本病原菌の所属を検討するため、7月の子のう殻成熟期に分子生物学的手法により検討した結果、本年も昨年同様に子のう菌類のBotryospharia属と大きく異なる属となり、こぶ周辺に付着していた菌類のDNAを分析したようである。今後、子のう胞子の採取方法の検討からさらに分子系統学的な手法を導入して解析を行う。さらに、スギこぶ内における植物ホルモンの探索は本年もまだ結果出るに至っていない。
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