2005 Fiscal Year Annual Research Report
大阪府に生息するニホンジカの遺伝的多様性に関する研究
Project/Area Number |
15580140
|
Research Institution | Agricultural, Food and Environmental Sciences Research Center of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
川井 裕史 大阪府立食とみどりの総合技術センター, みどり環境部, 主任研究員 (30333412)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 新太郎 大阪府立食とみどりの総合技術センター, 食品・資源部, 主任研究員 (90333434)
石塚 譲 大阪府立食とみどりの総合技術センター, 食品・資源部, 研究員 (00333435)
星 英之 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科獣医学専攻獣医公衆衛生学研究室, 助手 (30301188)
|
Keywords | ニホンジカ / DNA / マイクロサテライト / ミトコンドリアDNA |
Research Abstract |
大阪府下のニホンジカ能勢個体群から24個体、箕面個体群から14個体、高槻個体群から9個体の計47個体を用いて、偶蹄類で多型が認められているマイクロサテライト領域のプライマーを用いてDNAを増幅後、アガロースゲルを用いて電気泳動し、バンドの出現に多型の見られるプライマーを選出した。BM2934、BoviRBP、MB009、OarFCB193、TGLA53の5種類のプライマーで多型が認められたため、解析に用いた。 各バンドの出現を独立変数とし、Ward法によりクラスター分析した。また、個体間の遺伝的血縁度をコンピュータソフトKinship(Goodnight)を用いて計算した。 5種のプライマーにより得られたバンドの出現パターンは41種であった。クラスター分析の結果、能勢グループと箕面、高槻グループに別れた。能勢グループはさらに東部グループと西部グループに分かれた。箕面、高槻グループはさらに箕面グループと高槻グループに分かれた。 能勢個体群、箕面個体群、高槻個体群の各個体群内の遺伝的血縁度はそれぞれ0.454±0.011(平均±標準誤差。以下同様)、0.420±0.019、0.515±0.033であった。 能勢個体群10個体、箕面個体群7個体、高槻個体群5個体、兵庫1個体、京都1個体、和歌山2個体、外群としてオジロジカ1個体のミトコンドリアDNAのD-loop領域の配列を決定した。ただし、高槻個体1個体とオジロジカからは良好なサンプルが得られず、配列の決定ができなかった。 D-loopのうちtandem-repeat領域をのぞく配列によりコンピュータソフトClustal Wを用いて系統樹を作成した。箕面個体群および高槻個体群の個体はそれぞれクラスターを形成した。Tandem-repeat領域のハプロタイプを用いて遺伝子多様度hを計算したところ、能勢個体群で0.76、箕面個体群で0.29、高槻個体群で0.50であった。
|