2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒノキとスギの材質劣化樹脂性病害の樹木成分による解析
Project/Area Number |
15580141
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山本 宏 茨城大学, 教育学部, 教授 (50091872)
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Keywords | 樹脂胴枯病 / 漏脂病 / ヒノキ / ローソンヒノキ / テルペン / ステロイド |
Research Abstract |
漏脂病、樹脂胴枯病、キバチが産卵時に注入したアミロステレウス属菌による材変色のように、菌に感染し樹脂病となった樹木と非感染の樹木の成分を比較するための分析を、3種の樹木で行った。 1.ローソンヒノキの材と樹皮成分。非感染のものから、8種のジテルペン、3種のセスキテルペン、2種のステロイド、1種のリグナン、3種の高級脂肪酸メチルエステルを単離した。内14種はこの樹木からはじめて見出された。雑誌論文の1に発表した。 2.漏脂病ヒノキ材成分。樹病の材から、11種のテルペン、1種のステロイド、1種のリグナンを見いだした。健康な材から、8種のテルペン、1種のステロイド、1種のリグナンを見いだした。各成分を比較し、漏脂病に感染するとより酸化が進んだ構造の化合物が見出されると言える。雑誌論文の2に発表した。 3.ヒノキ樹皮成分の垂直分布。健康な1本の樹木の樹皮抽出量は、面積当たりどの高さでもほぼ一定であった。漏脂病の樹皮抽出量は幹部やその周辺で増加した。樹皮抽出物をジアゾメタンによるメチル化後、ガスクロマトグラフ法で同定と定量を行った。患部では特徴的なジテルペンが増加しており、これから病状の進行を把握できると考えた。(投稿準備中) 4.キバチが産卵時に注入したアミロステレウス属菌により変色したスギ材の成分。キバチの材変色被害を受けた材の抽出量は健康時より多くなり、アビエタ-7,13-ジエン,デヒドロアビエタンなど健康時には見いだされないアビエタ系ジテルペンが単離できた。(投稿準備中)
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Research Products
(2 results)