2004 Fiscal Year Annual Research Report
有用きのこ類の生育を顕著に促進するコーンファイバー抽出成分の単離と作用機作
Project/Area Number |
15580151
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
寺下 隆夫 近畿大学, 農学部, 教授 (90088203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北本 豊 鳥取大学, 農学部, 教授 (10032294)
鈴木 彰 千葉大学, 教育学部, 教授 (50110797)
吉川 賢太郎 近畿大学, 農学部, 助教授 (20088206)
白坂 憲章 近畿大学, 農学部, 講師 (20268452)
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Keywords | きのこ / きのこ栽培 / コーンファイバー / トウモロコシ廃棄物 / きのこの生育促進物質 |
Research Abstract |
コーンファイバー(CNF)はウェットミリング法によるコーンスターチ製造工程で多量に排出される廃棄物であるが、これまでほとんど利用されず廃棄されていた。しかし、CNF中にはヘミセルロースやデンプンが豊富に残存することから、我々は有用きのこ類の人工栽培培地原料への利用を検討した。その結果、培地へのCNFの添加で子実体収量が著しく増加し栽培期間の短縮効果も顕著であった。また、促進が余りにも著しいことからCNF中に促進物質の存在が想定された。そこで、この成分の抽出と単離を試みる一方、本成分を利用した高速度きのこ栽培システムの構築を試みた。また、CNF熱水抽出成分による子実体形成の促進機構についても検討した。促進成分は熱水で抽出され、各種のクロマトグラフィーによる分画を行い、ほぼ純粋な低分子物質が得られた。現在この物質の構造決定の準備を進めている。また、大手きのこメーカーと共同でCNFの実用化試験に取りかかっている。さらに、マツタケやホンマメジのどの菌根菌、菌糸束形成きのこのナラタケヘの影響を検討するとともに、CNF添加で発生した子実体の機能性についても検討する。促進機構についてはCNF中に残存するオリゴ糖や遊離アミノ酸の効果に加え、促進成分がきのこの生育基質の分解酵素類(アミラーゼ、キシラナーゼなど)の活性を著しく上昇させることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)