2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580157
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 広滋 東京大学, 海洋研究所, 助手 (60323630)
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Keywords | 浸透圧 / ナトリウム利尿ペプチド / グアニリン / アドレノメデュリン / 分子進化 / ホルモン / 受容体 / 適応 |
Research Abstract |
本研究では、体液よりも高張な海水から低張な淡水まで様々な浸透圧環境に生息している魚類の体液調節機構、とくにこれまで殆ど研究例の無い、環境浸透圧変化に迅速に対応する即時的適応機構、およびそれらの機構と従来から研究されてきた長期的適応機構との関連の解明を試みた。即時的な体液調節に関与する分子としては、低分子ペプチドホルモンであるナトリウム利尿ペプチド(NP)ファミリー、グアニリン(GN)ファミリー、アドレノメデュリン(AM)ファミリーなどのホルモン群がある。NPファミリーについては、昨年度、魚類には7つの分子種が存在し(哺乳類には3種類しかない)、それらの遺伝子が単一の祖先分子から染色体の重複と遺伝子の縦列重複により生じたことを、VNP以外の遺伝子について比較ゲノム解析により明らかにしたが、本年度はさらに、VNP遺伝子も縦列重複により生じたことを、ニジマスを用いた連鎖解析により明らかにした。また、メダカのBNPのペプチドを合成し、BNPが3種類のNP受容体のうち、A型受容体に相当するふたっの受容体を活性化することを明らかにした。GNファミリーについてはウナギから2種類の受容体(哺乳類は1種類)cDNAを発見した。AMファミリーについては、昨年度トラフグにおいて発見した5種類の遺伝子がメダカにおいても存在することを確認した。また、哺乳類ではこれまで1種類のAM(AM1に相当)しか知られていなかったが、フグの情報をもとにして、哺乳類のAM2を発見した。なお、これまで用いてきたメダカ、ウナギ、フグなどに加え、新たな体液浸透圧調節の実験系として、カジカ目降海型回遊魚であるカマキリに注目し、海水適応能力に関する実験系を確立した。
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Research Products
(3 results)