2004 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の網膜および松果体における光受容細胞の増殖機構
Project/Area Number |
15580161
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大村 百合 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (50023479)
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Keywords | ニホンウナギ Anguilla japonica / ヒラメ Paralichthys olivaceus / ニジマス Oncorhynchus mykiss / 網膜桿体細胞 / 松果体光受容細胞 / 増殖細胞核抗原 (PCNA) / BrdU (Bromodioxyuridine) / 免疫細胞化学 |
Research Abstract |
平成15〜16年度にわたる本研究の前半では網膜桿体細胞が生涯にわたって増殖し続ける可能性をウナギおよびヒラメについて明らかにし、後半の本年度は松果体光受容細胞の増殖機構に関する免疫細胞化学的研究に力を注ぎ次のような研究成果が得られた。 光受容-メラトニン分泌が行われる魚類松果体でも網膜の場合と同様に、光受容細胞がさらに新生され続けるのかどうか明らかにするために、成熟間もないニジマス若魚の松果体について増殖細胞核抗原(PCNA)免疫陽性細胞の分布を調べた。PCNA陽性増殖細胞の核は大きな卵円形あるいは紡錘形を示すものが多く、先端膨大部から柄部まで全体にわたって豊富に分布し、松果体上皮の基底部で分裂した前駆細胞が頂上部へ移動してさらに分裂あるいは直接光受容細胞に分化することが考えられ、成魚の松果体においても光受容細胞は増殖し続けることが示唆された(平成16年度日本水産学会大会、鹿児島大、講演発表;16th International Congress of the IFFA、Aug.2004、Kyoto、講演発表)。次に、PCNA陽性増殖細胞にロドプシン(光受容物質)、Per3(時計遺伝子)、5-HT(メラトニンの前駆物質)等が共存するかどうか免疫二重染色法を施して調べ、ロドプシン陽性光受容細胞外節との接近はしばしばみられるものの決定的な確証を得るには至らなかった。そこで、ニジマス成魚のみならずティラピア若魚の網膜および松果体の増殖細胞をBrdU(チミジンの類似体)で標識し期間を延長してロドプシンあるいは5-HTとの共存の有無を調べ、光受容細胞あるいは支持細胞への分化の可能性を明らかにしつつある(平成17年度日本水産学会大会、海洋大、講演発表;X.Congress of the EPBRS、Frankfurt、Sep.2005、講演発表予定)。
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Research Products
(3 results)