2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580163
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
吉岡 基 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30262992)
|
Keywords | イルカ / 精子 / 凍結保存 / ストロー法 / 人工授精 / 海生哺乳類 / 繁殖生理 |
Research Abstract |
鴨川シーワールドにおいて,以下の実験を行った. 1.精液採取と精子凍結保存:バンドウイルカ:新規個体1頭を加え計2頭から精液採取が可能となり,ストロー法により精子を凍結保存した;カマイルカ:新たな個体を対象に精液採取訓練を行ったが,今年度中の訓練では安定して精液を採取するには到らなかった;シャチ:継続訓練を行っているが射精にはいたっていない.しかし,精子(運動性はなし)が含まれている精液を少量採取することができた. 2.ストロー法による精子凍結保存条件の検討:ストローの液体窒素曝露時間について以下の検討を行った.すなわち,原精液を常法により希釈してストローに分注後,液体窒素,ガスに曝露する時間を5〜30分の5条件で凍結した.ついで,液体窒素に浸漬して凍結完了したものについて融解後の生存率等を融解直後と180分後に観察した.その結果,曝露時間5,10,15分区で生存率50%前後以上の比較的良好な成績を示し,かつとくに15分区では活力がもっとも高くなる傾向があったが,曝露時間を30分まで延長しても,生存率等に実験区間で顕著な違いは認められなかった.しかし,融解直後では曝露時間30分区で性状(生存率と活力)がやや劣る傾向があり,また融解180分後では曝露時間10,20分区で劣る傾向がみられ,総合すると融解後の精液性状は曝露時間15分区で安定している傾向があった. 3.人工授精の実施:バンドウイルカ1頭を対象に,9月に凍結精子を用いた人工授精を試みた.
|