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2003 Fiscal Year Annual Research Report

エコフィジオロジーモデルによるヒラメ稚魚成育場機能の南北間比較

Research Project

Project/Area Number 15580164
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

山下 洋  京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60346038)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高橋 一生  水産総合研究センター, 東北水研, 研究員 (00301581)
Keywordsヒラメ / 稚魚 / 成育場 / モデル / 成長 / 南北差 / アミ
Research Abstract

1.ヒラメ幼稚魚の個体成長を機構化したエコフィジオロジーモデルの基本構造を、ソフトウエアとしてSTELLAを用いて完成した。本モデルは個体成長をめぐるエネルギー収支のメカニズムをモデル化したものであり、摂取エネルギーの配分は環境要因の影響を強く受けて変化する。本モデルでは、水温、摂餌量および全長(または体重)の3因子が、個体成長の決定要因となる。これまでに飼育実験により報告されている様々なサイズや水温におけるヒラメ幼稚魚の成長結果とモデルからの予測値の差は、幼稚魚期に経験する水温とサイズの範囲(10-25℃、全長20-150mm)ではほぼ10%以内に収まった。このことから、本モデルはある程度の精度で幼稚魚の成長を予測できると判断された。また、我が国の太平洋沿岸域で卓越するミツクリハマアミを用いて、飼育実験と多数のフィールド採集調査の結果を分析し、本種の日間生産量(P)と現存量(B)及び水温(T)との関係を以下のように明らかにした。
P/B=0.005e^<(0.14T)>
この関係を基礎にミツクリハマアミの生産モデルを完成した。これらのモデルをベースに、岩手県大野湾のヒラメ稚魚をめぐる群集構造を基本としたヒラメ稚魚個体群生産モデルを完成した。本モデルは、(1)放流ヒラメ稚魚の成長、(2)天然ヒラメ稚魚の成長、(3)ヒラメ稚魚の自然死亡と捕食による減耗、(4)餌生物(ミツクリハマアミと小型魚類)の生産と消費、(5)競争者(アラメガレイ)によるアミ類の消費、の5つのコンパートメントから構成される。
2.耳石(礫石)日周輪によるヒラメ稚魚の成長速度解析法を検討した。有眼側の礫石については、全長50mm前後までは通常のバイオロジカルインターセプト法で精度高く成長速度を推定できるが、50mmを越えると耳石の成長速度が部位により大きく変化するために、常法では過大評価する可能性が示唆された。この問題を解決する方法を現在検討中である。
3.平成15年5月から9月にかけて、鹿児島県から北海道までの日本海側沿岸域および岩手県、宮城県仙台湾の14個所において、ヒラメ着底稚魚採集調査を行った。現在標本処理中であるが、ヒラメ稚魚密度は明瞭に西日本で高く、一方、主要餌料であるアミ類の密度は北日本で高かった。また、若狭湾および仙台湾において、浮遊期仔魚の採集調査を実施し、環境調査を行うとともに約200個体のヒラメ仔魚を採集した。これらの標本についても現在摂餌状態および日齢を分析中である。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 山下 洋, 栗田 豊, 高橋一生: "ヒラメ放流場の環境収容力に対応した適正放流数の推定"東北底魚研究. 24(印刷中). (2004)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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