2004 Fiscal Year Annual Research Report
魚類におけるアスタキサンチンのスーパー・モレキュール活性発現機構の解析
Project/Area Number |
15580177
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 俊樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10217797)
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Keywords | アスタキサンチン / 魚類 / ニジマス / 飼育試験 / 抗酸化物質 / α-トコフェロール |
Research Abstract |
(1)In vivoにおけるアスタキサンチン(ASX)の機能評価法の開発:前年度の細胞を用いたin vitroアッセイ系と比較するため、魚類個体(in vivo)におけるASXの機能評価系の開発について検討した。試験対象生物種としてニジマスを用いた。試験飼料はASXの効果を確認しやすくするため、代表的な抗酸化物質であるα-トコフェロールの含量を30ppmとし、一方、合成ASXのそれは100ppmとした。約6週間飼育した結果、特に斃死は認められず、また成長などにも対照区(ASX無添加飼料区)との違いはなかった。これらの試験魚から血液、肝臓および筋肉などの組織を採取し種々の実験に供する事で、ASXの生物活性を推定することが可能と考えられた。 (2)ニジマスにおけるASX投与の影響:(1)の投与試験により得た各組織を用い、生体内の酸化的状態を示すパラメーターについて測定した。ASXは、ASX投与区の魚の血漿、赤血球および肝臓において検出され、対照区では認められなかった。またα-トコフェロールは何れの組織においてもASX投与区で高かった。さらに組織中の過酸化脂質含量を測定したところ、α-トコフェロールレベルとは逆にASX投与区で著しく低かった。 以上より魚類個体を用いたASXの機能評価系が確立された。そしてそれを用いた検討の結果、ASXはα-トコフェロールと相乗的に生体内の抗酸化力を高め、酸化的ストレスを軽減しているものと推測される。
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Research Products
(1 results)