2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580179
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
木村 凡 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (50262340)
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Keywords | 毒素発現 / ボツリヌスE型菌 / チルド食品 / RT-PCR / m-RNA |
Research Abstract |
1997年におきたフィンランドでの市販スモーク魚によるボツリヌスE型菌中毒は記憶に新しい。ボツリヌス菌の増殖量と食品中での毒素量は多くの場合相関するが、これまでの諸外国の関連文献調査結果および申請者らの経験では、ボツリヌス菌の増殖がほとんど認められないにもかかわらず、マウスアッセイ毒素試験では陽性である場合も認められている。この原因は謎とされている。なぜなら、ボツリヌス菌の毒素発現に及ぼす環境因子条件についてはほとんど解明されていないからである。 そこで、申請者らは定量PCRによるボツリヌス毒素DNAの定量法(既に申請者らにより確立)を発展させて、m-RNA→DNAの逆転写酵素反応とタックマン定量PCR法を組み合わせたボツリヌス毒素遺伝子のm-RNA定量法を用いて毒素発現条件の詳細を明らかにするために本研究に着手した。昨年度の研究で、ボツリヌスE型毒素遺伝子m-RNAの定量手法が確立したので、本年度は、諸環境因子と毒素遺伝子発現に関する関係解明の実験に着手し、次の成果を得た。 (1)定量RT-PCRにより発現m-RNAの定量を行うために、増殖ステージ毎での発現のばらつきや、再現性を検討し、条件設定を確立した。 (2)各種環境条件での毒素遺伝子m-RNA発現を調べ、ボツリヌス毒素発現は、pHの影響をほとんど受けないが、塩分濃度が高くなる程高発現することが明らかとした。 以上の成果は平成12年度当初の計画をほぼ達成したと考えている。
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Research Products
(1 results)