2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580182
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
横山 芳博 福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (90291814)
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Keywords | マガキ / 輸送 / ストレス応答 / 低酸素 / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
マガキは水揚げ後の流通過程において、空気に暴露され、生きた丸貝として輸送、保存される。その間、数時間、ときには数週間低酸素状態に晒される。このような状態で長期間生存できる低酸素耐性能は、マガキが浅海に生息する固着性二枚貝であり、潮汐により空気中に露出するなど、低酸素状態に置かれることで遺伝的に獲得してきたものであろう。しかし、この低酸素耐性機構の詳細はほとんどわかっていない。本年度は、マガキの流通過程を想定した空気中保存による低酸素状態の進行に伴って増減を示すタンパク質を検出・同定することを目的とした。 福井県小浜湾産活マガキ(Crassostrea gigas)を用いた。水揚げ後、4℃、20℃それぞれの空気中で保蔵し、マガキに低酸素ストレスを与えた。また、海水から取り出した後、直ちに実験に供したものをコントロールとした。開殻後、閉殻筋、体幹部、鰓、外套膜を切り取り、PBS(4%TritonX-100、プロテアーゼインヒビターカクテルを含む)中でホモジナイズした。遠心分離して得た上清にトリクロロ酢酸を加えタンパク質を沈殿させた。これをIPG (Immobilized pH gradient)ゲル膨潤溶液(8M尿素、2%CHAPS、0.5%IPG Buffer)に溶解したものを二次元電気泳動に供した。 ストレスを与えたマガキの体幹部、鰓においていくつかの増減を示すタンパク質スポットを確認した。体幹部では、20℃で3日保蔵の個体および4℃で10日保蔵の個体において、44.6kDa・5.0pIのスポットの消失および、44.6kDa・5.13pIのスポットの出現が確認された。また、鰓では、4℃で1-5日保蔵および20℃で2日保蔵の個体において34.5kDa・6.5pIのスポットの出現が確認された。現在それらのタンパク質のN末端および内部アミノ酸配列決定、およびcDNAクローニングを行っている。
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Research Products
(1 results)