2005 Fiscal Year Annual Research Report
農村における「女性起業」の組織特性と経営発展に関する比較研究
Project/Area Number |
15580188
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
岩崎 由美子 福島大学, 行政政策学類, 助教授 (80302313)
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Keywords | 女性起業 / 農村活性化 / 地域開発 / 非営利事業 / エンパワーメント |
Research Abstract |
3年間の研究期間の最後の年となる平成17年度は、過去2年間の調査研究結果のとりまとめ作業を中心に行った。まず、農村女性起業先進事例として、岩手県遠野市、福島県飯舘村等を対象に行った数回にわたるヒヤリング調査結果からモノグラフ分析を行った。調査の結果、起業活動を契機として、農業生産・家庭生活・地域運営の諸局面で女性が担っている役割が可視化され、女性の経済的自立・社会参画の第一歩となることを示すとともに、かかる農村女性起業が、食農教育、地域文化の伝承等に果たしている公共的役割について指摘した。他方で、女性起業のもつ内在的課題(例えば、資金融資、労働過重)が浮き彫りになり、かかる課題解決のために行政等の支援機関が果たすべき役割について検討し、また、都市部の女性起業実態調査から、農村女性起業と都市女性起業との連携による経営展開の可能性を明らかにすることができた。続いて、外国の女性農業者支援プログラムに関する事例収集を行い、先進国事例としてアメリカ・イギリス、発展途上国事例としてタンザニアを取り上げた。なかでも発展途上国の農家女性は、技能・資金の不足からその大半は起業が困難であるため、JICAや現地大学スタッフによる農村住民の組織化、生産技術の提供、マイクロクレジットの支援が、女性のエンパワーメントを実現する手がかりになっていることが明らかになった。そして、日本の農村女性起業支援施策の構築に際しても、単なる地域経済の活性化という視点のみならず、女性のエンパワーメント確立の視点が不可欠であることが本調査研究を通じて再確認できた。以上の一連の調査研究活動により、いわゆるファーストステージの農村女性起業の全貌に関して一定程度解明できたと考えている。
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Research Products
(3 results)