2004 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の食生活・食料消費の将来に関する社会経済学的・心理学的研究
Project/Area Number |
15580196
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
清水 哲郎 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (40132344)
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Keywords | 食生活の成熟化 / 食料消費動向 / 食意識 / トレンド予測 / 需要関数 / 因子分析 / 主要分分析 |
Research Abstract |
1.個別食料の消費動向を主成分分析及び種々の傾向線によって分析・予測すると同時に、所得、価格を説明変数とするシンプルな需要関数を推定し、単純な条件のもとでの予測作業を行った。その結果、微増傾向絵を続ける品目は肉類、油脂類、鶏卵などであり、ほとんど変化しない品目は小麦、いも類、魚介類、また減少傾向を示すものは米、野菜、豆類であり、食糧消費全体としては現在とほぼ同じ消費動向の存続することが明らかとなった。さらに、食生活全般でも、個別食料消費の増加率が極めて小さな成熟段階の食生活が展開されると予測される。 2.わが国の食生活及び食料消費に関するアンケート調査を実施した。調査の目的は、食生活の実態を捉え、食に対する消費者ニーズの構造を計量的に解明し、さらにわが国食生活の将来動向を意識的側面から捉えることであった。特に、食に対する安全性・健康志向に重点をおいた調査票を作成した。主要な分析結果では、食に対する安全性・健康志向の極めて高いこと、そのためのコスト意識では食料品価格が10%〜20%高くても負担するという回答の多いこと、因子分析の結果では、食の外部化志向因子、食生活充実因子、健康・安全志向因子などの存在が立証された。今後の食生活の動向に関しては、主食意識の欠如や、米の存在意識の低下、外部化志向の増大傾向などが意識的側面から観察された。 3.わが国の食生活・食糧消費の将来動向は、量的側面からは基本的には現在のトレンドを継承しつつも、食生活・食糧消費の内容面から食に対する消費者ニーズの多様化傾向が今後も続くと予想されることや、たゆまない食品産業の発展により多種多様な食材が供給されること、さらに中食・外食産業の発展によっても多様な食生活スタイルが提供されることから、益々多様な食生活が展開していくと予想される。
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