2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580210
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
清水 英良 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90144005)
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Keywords | 原位置試験 / 弾性波実験 / 干拓堤防 / P波速度 / ポアソン比 / S波速度 |
Research Abstract |
土構造物のうち、土地改良施設のなかでも基幹構造物の一つである既存の干拓堤防を取り上げ、現地振動実験を行った。サイトは岡山県児島湾干拓締切堤防であり、簡易弾性波試験器を用いて前年に実施した常時微動観測地点周辺の3地点(No.6-8)を選定しP波測定を実施した。その結果、以下のことが明らかになった。 (1)P波速度υpは,No.7,No.8地点においてそれぞれ約190m/s,180m/sとなり,両地点での材質はほぼ同等であるといえる。しかしながら,No.6地点における値は約160m/Sと若干異なり,今後詳細な実験を実施して同定する必要がある。 (2)前年に常時微動観測より得られた特性値と地質断面図を用いてNo.7,No.8地点のS波速度υsを求めた結果,その値は約95m/sと推定された。 (3)P波速度υpとS波速度υsからポアソン比vを求めるとv=0.31〜0.33となり,ほぼ妥当な値となった。 以上から,現在設計基準で用いられている特性値を用いた応答スペクトル法に加え,変形性能を考慮した盛土部の挙動がシミュレート可能となり,大地震時における堤防の性能評価の一助になるものと思われる。 今回の簡易弾性波実験は,微動観測から得られる卓越振動数の検証として補完的に実施した。東海・東南海・南海地震の襲来が叫ばれている今日,農業水利構造物の耐震性の検証は必須の事項である。今後,構造物・基礎地盤全体の特性を詳細に把握するためには,表面波探査・反射法探査を行って既存施設・基礎地盤の耐震性照査を実施していく必要があると考える。
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Research Products
(3 results)