2004 Fiscal Year Annual Research Report
資源の有効利用に資する雨水利用および屋上緑化の機能融合型システムの開発
Project/Area Number |
15580212
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
喜多 威知郎 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (10221912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 研 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (90271014)
巣山 弘介 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (70284023)
木原 康孝 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (30204960)
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Keywords | 屋上緑化 / 雨水利用 / 発泡ガラス材 / 資源の有効利用 |
Research Abstract |
リサイクル資材の有効利用,雨水利用,屋上緑化のそれぞれが持つ利点を複合的に利用する融合型システムが持つ機能の検討を行うため,小規模なシステムを構築し,実験を行った。主な検討項目は以下の通りである. 本システムが緑化システムとして機能する効果の検証:屋上緑化がもたらす効果の1つに,断熱効果が上げられる.一般的な屋上緑化では,植栽された植物や植栽土壌中に保持された水分の潜熱効果によりもたらされるが,本システムでは,下部に設置された雨水貯留部に雨水が貯留されるため,それによる断熱効果についても検討を行った.夏季を中心に,緑化システムの植栽部土壌表面温度,植栽部コンテナー底面温度,システム底面温度,緑化システムを設置していないコンクリート面等で定期的に温度測定を行い,効果の検証を行った.植栽の有無による土壌表面温度については,植栽による効果は大きく,概ね15℃程度の低下が見られたが,植栽部下部の温度については,概ね類似した変動状況を示した.また,システム下部のコンクリート温度についても,同様の傾向であった. 雨水貯留部の機能の検討:下部に設置する雨水貯留部には,一時的に雨水を貯留することによる流出抑制効果と貯留した雨水を上部植栽部へ潅水するための貯留機能を求めている.今年度は,主に上部植栽部への灌水機能について,実際に植栽した状態での土壌水分動態の実測により検討を行った.雨水貯留部から植栽部へはポリマーによる毛管力により水分を供給した.実験結果から,植栽部に充填した土壌の種類およびポリマーの設置数が土壌水分量の変動に影響を及ぼすことが判明した.ポリマーと土壌との接触状況の相違が要因と推測されたが,ポリマーの設置数を適切に設定することにより,植物にとって適切な水分量に管理できることが示唆された.また,降雨時における植栽部から貯留部への排水方法について検討する必要があることが判明した.
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Research Products
(3 results)