2005 Fiscal Year Annual Research Report
住民参加型計画手法を用いたため池保全策の立案と実践
Project/Area Number |
15580213
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
森下 一男 香川大学, 工学部, 助教授 (80036061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 渡 香川大学, 工学部, 教授 (30032288)
角道 弘文 香川大学, 工学部, 助教授 (30253256)
井面 仁志 香川大学, 工学部, 助教授 (90294735)
守田 秀則 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (60239663)
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Keywords | 住民参加 / 参加型計画手法 / ため池保全 / ワークショップ / 情報発信 / 維持管理 / アンケート調査 |
Research Abstract |
平成15・16年度には、香川県営ため池再編総合整備事業が実施されている、香川県牟礼町川原地区の事業対象地区の一つである宮北(自治会)地区を対象に、アンケート調査、廃止予定ため池の利活用案づくりのワークショップ(WS)、「ため池通信」による情報提供などを行い、利活用案づくりの立案過程が最終の設計段階を迎えると共に実践段階における維持管理問題への対処が課題となっていることが明らかとなった。研究の最終年度である本年度は、平成16年度に明らかになった問題点を含め、研究対象地区を広げ、大きく二つの課題を検討した。 I.立案段階における合意形成システムが一般化できる部分とできない部分から成り立つことを検証した。 1.平成16年度に実施したアンケートの詳細分析により、「ため池通信」による情報提供は浸透しており、一定の成果が出ているが、それが必ずしも整備後の維持管理意向に結びついているとはいえず、住民個々人が意識形成の途上にあることが判明した。(守田担当) 2.立案過程の最終段階である設計案検討のモニタリングをしたところ、WSによる成果が引き継がれ、WSによる利活用案作成が妥当であったことが明らかとなった。(角道担当) 3.住民参加型でため池保全策を立案している兵庫県東播磨地域との比較検討を行い、東播磨地域の場合には行政主導の傾向が大きく、宮北地区のWSの効果が再確認できた。(白木担当) II.維持管理問題の検討が立案・実践の合意形成システムのどこに位置付けるべきかを検討した。 1.宮北地区では維持管理問題に対処する合意形成に失敗している。その要因を明らかにするために、兵庫県東播磨地域や香川県高松市において、ため池保全の住民参加組織のある地区で、維持管理における価値観のアンケートを実施した。その結果、地域資産に根ざした環境意識の形成を図ることができれば、管理資金がなくても維持管理は可能であることが明らかとなり、立案段階からの意識形成の重要性が判明した。(森下担当) 2.廃止予定ため池の利活用案として学校農園が描かれ、地域住民の協力が危ぶまれていた。実態調査の結果、住民個々人の意識形成に熟度の違いがあり、協力の実現性は十分にあることが判明した。(井面担当)
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Research Products
(5 results)