2004 Fiscal Year Annual Research Report
河川の局所的形態に支配される流下懸濁有機物の酸化分解過程の定量化
Project/Area Number |
15580214
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
伴 道一 高知大学, 農学部, 教授 (20198956)
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Keywords | 河川 / 懸濁有機物 / 自浄作用 / 酸化分解 / 取水堰 / 河床間隙水域 / 瀬淵構造 |
Research Abstract |
サブテーマ1「農業用取水堰湛水部への懸濁有機物の流入負荷量および有機物収支の実測」 電磁流速計を用いた河川流量の詳細観測および現地係留式の濁度計を用いて,平水時に湛水部へ流入・流出する懸濁有機物量の経目変化を実測し,湛水部,緩流部,急流部,合流点など様々な流況のセグメントごとの有機物収支を実測した.さらに河床における有機物分解速度に関する既往の知見を用いて,湛水部における有機物の収支を推定した. 結果を概括すると,湛水部に流入した懸濁物全体の約45%が河床に沈降・堆積し,残りは堰をそのまま越えて下流へと流れる.堆積した懸濁物の中の約26%は有機物で占められており,さらのこの約1/3が河床における好気的分解によって可溶化し河床から除去される.平水時では,有機物の日堆積量は河床での好気的分解量とほぼ等しいと推定された.流況によっては湛水部の河川自浄作用とほぼ均衡する量の懸濁有機物生産が,自然流下区間において生じており,流下過程における有機物生産・分解の場所的・時間的変化過程が明らかになった. サブテーマ2「砂礫堆地下における接触酸化作用による溶存有機物の好気的分解量の定量化」 製紙排水の負荷により有機汚濁の進行した河川水の水質を,河道内に形成された砂礫堆の自然浄化機能を利用して改善する可能性を検討するために現地実験を行った.砂礫堆上での河川水質の変化過程,砂礫堆地下への河川水の浸透状況,地下水の水質特性を実測した.さらにろ過した汚濁河川水を砂礫層へ強制的にを浸透させ,溶存態有機物の好気的分解過程を推算し,砂礫堆の水質浄化能の定量化を試みた. H15年度より,好気ゾーンを広く形成させる目的で,ポンプにより一定流量の圧送の条件下にて実験を行った.この領域内では好気的分解作用による有機物除去が進行し,8mg/Lの溶存酸素を消費しながら約60%の溶存態有機炭素が炭酸ガスへと変化していることが明らかになった.また,有機物分解反応の反応速度係数の推定値は,前年の値よりやや小さめの値を得た.
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