2003 Fiscal Year Annual Research Report
フォトン計測による食品の過酸化生成物と抗酸化物の迅速評価方法の開発
Project/Area Number |
15580219
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
齋藤 高弘 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (50221990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 昌司 食品総合研究所, 食品工学部, 研究員 (00353970)
大谷 敏郎 食品総合研究所, 食品工学部, 室長 (70353969)
志賀 徹 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30089932)
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Keywords | フォトン / XYZ / 微弱発光 / 過酸化性 / 抗酸化性 / 食品 / 機能性 |
Research Abstract |
開発した微弱発光計測システムは、密閉状態で外部からの試薬注入、攪拌制御が可能な構成とした。試薬注入精度は誤差1%未満であり、満足のいく結果であった。但し、試薬の揮発性、粘性、密度などの特性上、試薬注入口からの滴下と目詰まりの事例も確認され、定期的な洗浄運転の必要性も明らかになった。恒温庫内で温湿度制御環境下(±0.2)の基、ダークノイズを計測したところ、発光量は206cps±18となり変動幅は8%であった。また、湿度変化とダークのイズは比例関係があり、揮発性の試薬を用いるため計測時間が長くなるにつれ発光量も増加する傾向となった。試薬保持容器からの遅延発光については、120秒程度で収束することが分かり、計測開始の目安とした。また、発光収束値(約300cps)をサンプルの計測に関わる基準値(安定値)と決定した。3試薬を混合した場合を"基準発光"とし、試薬量、添加濃度、添加順序が発光量と発光曲線に及ぼす影響について検討した。発光曲線は、3試薬混合直後から急激に増加し、10〜30秒後には最大値になった。その後、暫時減少して最小値を示し、再度緩やかに増加する傾向であることが分かった。試薬の添加量と最大発光量との間には比例関係が確認された。光電子増倍管の検出精度の観点、試薬の速やかな混合の観点から、試薬量はそれぞれ2mlとすることが適切と判断した。さらに、3試薬ともに基準濃度と最大発光量の間には正の相関が認められ、本方法の妥当性が認められた。試薬添加順序はX試薬を最後に添加する方法が、変動係数が最も小さく安定する傾向が認められ、Z→Y→Xの順に添加することとした。このように、本年度は精度の高い計測システムの開発と基本的な計測手順の確立が成し遂げられた。
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