2003 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外分光法を用いた大豆種子1粒の品質判定システムの開発
Project/Area Number |
15580230
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
矢野 卓雄 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (20182389)
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Keywords | 近赤外分光法 / 大豆 / 品質判定 / 発芽 / クラスター分析 / 生死判別 |
Research Abstract |
重要な食料飼料原料でありながら97%を輸入に頼っている大豆の品質を簡便迅速に判定・選別できる計測システムの開発をめざし、近赤外分光法を用いて大豆1粒ごとの生死等の質に関する情報を入手し、これらの解析結果から大豆品質を判定し、選別するシステムを開発している。15年度では、人為的に品質を劣化させた大豆の近赤外線吸収スペクトルを測定するとともに、1粒ごとに生死判定を行い、統計学的手法を用いて生死と関係する物質、官能基による吸収が現れる波長を選定した。 1.大豆のスペクトル、生死に関するデータベースの作成 認識番号を付した大豆1粒ずつの近赤外線吸収スペクトルを測定し、スペクトルデータをコンピュータ内に保存し、データベース化を行った。品質の良好な大豆約100粒、品質が劣悪な大豆約100粒、その他中間的な品質の大豆数百粒のスペクトル測定を行い、引き続きデータベースの充実に努めている。また、スペクトル測定の終了した大豆は発芽試験に供し、各大豆の生死の判別結果は、スペクトルデータを保存したコンピュータ内に保存し、データベース化を行った。 2.生死の判別分析 クラスター分析等の統計学的手法を用いて、本研究の中心をなすスペクトル解析を行い、その性能を評価した。94粒の大豆の全波長データを用いて生死判別を試みたところ、2つの主成分因子を用いることにより生死判別が可能であった。このことから、近赤外分光法を用いた大豆1粒の生死判定は可能であると思われる。
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