2003 Fiscal Year Annual Research Report
家禽における内分泌撹乱化学物質に対する感受性とバイオアッセイ法の確立
Project/Area Number |
15580232
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
杉山 稔恵 新潟大学, 農学部, 助手 (10272858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 宏一 独立行政法人農業技術研究機構, 畜産草地研究所, 主任研究員
楠原 征治 新潟大学, 農学部, 教授 (80018788)
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Keywords | ニワトリ / 内分泌撹乱化学物質 / ダイオキシン / 受容体 / 感受性 / 卵管 |
Research Abstract |
ダイオキシンは、ダイオキシン受容体を介してその作用が発現することが知られている。近年、野生鳥類において、生殖機能異常および孵化能力の低下といった現象が数多く報告されており、生息環境に存在するダイオキシンの影響が原因として指摘されている。最近、ニワトリを始めとした家禽において、ダイオキシンが体内脂肪に蓄積していることが報告され、家禽においてもダイオキシンが悪影響を及ぼしていることが危惧されている。 本研究では、鳥類におけるダイオキシンの影響を明らかにすることを目的とし、産卵鶏の各組織におけるダイオキシン受容体のmRNAレベルでの発現をRT-PCR法で検討した。また、産卵鶏の卵管におけるダイオキシン受容体の発現と局在をタンパク質レベルで検討した。 (1)ダイオキシン受容体mRNA発現の検討 産卵鶏の筋胃、卵管、骨髄、肺、腎臓、肝臓および心臓においてダイオキシン受容体mRNAの高い発現が観察された。このことは、産卵鶏においてダイオキシンに対する高い感受性が存在することを示唆しており、胚発生期だけではなく成熟後においてもダイオキシンによってニワトリの内分泌機能が撹乱される可能性が示唆された。 (2)卵管におけるダイオキシン受容体タンパク質の発現と局在 産卵鶏の卵管卵白分泌部、峡部および卵殻腺部において、約95kDaのダイオキシン受容体がタンパク質レベルで発現していることがウェスタンブロット法により明らかとなった。また、その局在は峡部ならびに卵殻腺部の粘膜上皮細胞細胞質に強かった。このことは、ダイオキシンが卵管峡部ならびに卵殻腺部における粘膜上皮細胞を介して作用し、卵殻脆弱化に関与している可能性を示唆している。また、本研究により、ニワトリダイオキシン受容体と特異的に結合する抗体が見出され、ウェスタンブロット法と免疫組織学的手法が確立された。
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Research Products
(1 results)