2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580236
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
牛田 一成 京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (50183017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 孔志 京都府立大学, 農学研究科, 講師 (60254322)
小島 洋一 京都府立大学, 農学研究科, 教授 (80046490)
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Keywords | ブタ / 下痢 / 乳酸菌 / Megasphaera elsdenii / 酸利用性細菌 |
Research Abstract |
本年度は,健康なブタ糞便より酸利用性細菌の単離同定をおこなうとともに,16S rDNA配列に基づいた定量PCR用のプライマーを設計した。さらにマウスに経口給与したときの腸内細菌叢の変化について検討を加えた。養豚場において健康なブタより乳酸資化菌を単離した。形状から2つのグループに分かれ,グラム染色後の顕微鏡による観察からMegasphaera spp.およびVeillonella spp.であると推測された。このうち,グラム陰性球菌の16S rDNA配列を解読したところM.elsdeniiであることが確認された。M.elsdenii 16S rDNA配列の特異領域に基づくプライマーを設計し,Real-time PCR(Light-cycler)による定量法を確立した。最終的に7株のM.elsdeniiを単離同定することができた。 これらブタ腸管由来のM.elsdeniiをTYL培地で増菌培養してから,PBSで菌体洗浄後に細胞10^<11>個を18日齢時のマウスに1回だけ強制経口給与した。このとき,市販乳酸菌製剤由来のLactobacillus caseiとの組み合わせも検討した。このとき,40日齢時の腸内乳酸菌数が,無処理対照群(n=5)9.27±0.37,乳酸菌給与群(n=7)9.24±0.14,M.elsdenii給与群(n=7)9.57±0.43,混合投与群(n=5)10.04±0,12となり,二元配置分散分析の結果Megasphaera給与の効果がp<0.01の高い水準で有意と判定された。乳酸利用性酪酸生成菌であるM.elsdeniiは腸内に常在する乳酸菌と共生的な関係を確立し,乳酸菌の作る乳酸を保健効果の強い酪酸に変換し,下痢の予防などに効果が期待できることを示唆した。
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